ビリーパック、バットマン、ルコック|高橋正朝 #11

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 私が鹿島東小学校3年生の初夏のころ、夜の7時ぐらいのとき、新聞のラジオ番組表など読めないので、どの番組を聴くか、という目的もなしに、ダイヤルをゆっくり回していたら、突然、

『 ビリーパック•ビリーパック•ビリーパック•••••• 』と流れてきた。

 そこでダイヤルを微調整して止めると、更に続き、『 ビリーパック•••••• ビリーパック ! 』

 このラジオ番組を聴いた人たち、もしくはマンガ好きは、上記の名前で、すぐに気づいたと思います。そう、マンガの主人公の名前を冠したタイトルを、そのままオープニング曲にしたものです。

 オープニング曲は、若干のリズムはあるが、音程の高低はほとんどない。歌っていたのは、多分、3、4人の男性コーラスグループ。メロディというものは殆ど感じられない。楽器による伴奏はなかったと思う。

 『 ビリーパック 』という名前だけを単調に繰り返し、最後に、大きな声で『 ビリーパック ! 』と言って( 歌って? )曲が終わる。放送時間を考慮して、短い曲にするための苦肉のアイデアだったのだろうか。

 これを最初に聴いたときは、「 ? 」という印象を受けたと同時に、とても新鮮に感じた。

 声の出演者のアナウンスはあったが、これについては何も覚えていない。

 『 ビリーパック 』は、「 少年画報 」に連載された、河島光広 のオリジナル作品で、アメリカ人の父親と日本人の母親との間に生まれた混血の青年を主人公にした探偵マンガ。

 

 『 ビリーパック 』は、『 赤胴鈴之助 』とならんで、当時の「 少年画報 」の連載マンガの2枚看板の1つ。

 『 まぼろし探偵 』が、「 少年画報 」に登場するのは、3年ぐらい後だ。

 『少年画報』は、上記の3本の人気マンガ以外、手塚治虫 の『 スーパー太平記 』も連載が始まったりして、マンガ雑誌としては、当時トップの売上を誇ったようだった。

 河島光広 は絵がうまく、私が好きなマンガ家だった。多作ではなかったようだ。女の子をかわいく描いていたが、少女マンガの作品はなかった思う。

 また、同時期に、他のマンガ雑誌には描いていなかったはずだ。

 結核にかかって30歳で亡くなっている。連載を引き継いだのは、アシスタントの 矢島利一。師匠によく似た絵柄だったので、『 ビリーパック 』の扉絵の作者名が、矢島利一 に変わったのに気づかなかった。

 矢島利一 は、光文社発行の「 少年 」に、テレビドラマや映画になった『 遊星王子 』をマンガ化して連載している。

 このときの絵柄は、河島光広 の絵柄に似ているものの、矢島利一 の個性が出た絵柄だった。 

 『 ビリーパック 』のラジオドラマのオープニング曲の話に戻す。

 時期が10年ぐらい後にズレるが、アメリカンコミックスの『 バットマン 』を実写化したテレビドラマが日本に輸入されて放映されたことがあった。

 このオープニング曲も『 バットマン•バットマン•バットマン•バットマン•バットマン•••••••••バットマン 』と名前を繰り返すだけだった。

 ただ、『 ビリーパック 』のオープニング曲より高低があり、メロディと呼べる調子もあり、楽器の伴奏もあった。これだと、誰でも音楽と言うだろ。『 バットマン 』のオープニング曲を歌っているのは、ハッキリと断定できないが、女性だけのコーラスである。

 男性の声は、混じっていないと思う。この『 バットマン 』のテレビ番組は、東京にきてから見たので、大夕張で視聴できたかどうかは知らない。

 ネットをチェックすると、『 ビリーパック 』のオープニング曲に触れた短文があったが、どういう曲だったかは何も説明はない。『 バットマン 』のオープニング曲は、ユーチュ​ーブで動画つきで視聴できます。

 

『 ルコック、ルコック、名探偵、その名はルコック、ルコック、ルコック、ルコック、名探偵 ! 』

これは、何かのラジオ番組を聴いていて、その番組が終了し、そして次の番組が始まった。

 そのオープニング曲が、上記の『 ルコック•••••• 』だった。

  

 聴いていた人は覚えていると思うが、オープニング曲の詞は、上の記述がすべて。詞も曲も単調なので、よく覚えている。

 『 ビリーパック 』のオープニング曲と違って、ちゃんとメロディーがある。楽器による伴奏はなかったと思う。男性バリトンである。立川澄人 の声ではないと思っている。私は、友竹正則 だったのではないかと、推測しているが、知っている人がいれば、教えて下さい。

 この、『 ルコック探偵 』は、パリ警視庁の刑事が主人公だ。ルパン や ホームズ は、当時の少年少女にはすでに有名だったが、私は、『 ルコック 』の名は知らなかった。このラジオ番組で初めて聞いた名だった。

 鹿島東小学校での図書室での授業での読書の時間、『 ルコック探偵 』の本はあるかな ? と思って探してみたら、1冊だけあった。早速借り出して読んでみたが、私にはちっとも面白くなかった。 

 

 友竹正則といえば、数年たってから、NHK テレビの番組、『 みんなのうた 』で、ユーモラスな曲を視聴した。画面はストップモーションのアニメ、というより、静止画を2、3秒間ずつ切替える絵だった。

  

 『 ノミの一家が住宅を〜、探し歩いて山寺の〜、鐘つき堂に引っ越した〜、途端に鳴り出す鐘の音、ビックリ仰天ノミどもは〜、耳を押さえて〜、逃げ出した。』

 

 立川澄人 も 友竹正則 もいい声してたけど、鹿島中学校のときの音楽担当だった 米谷久男 先生もいい声してたなぁ••••••。  

(2020年10月31日 記)


 (筆者略歴)

昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。


1件のコメント

  • 漫画雑誌『少年画報』、代表作といわれる「ビリーパック」「赤銅鈴之助」「まぼろし探偵」のうち、「まぼろし探偵」は、自分は漫画よりTV番組の方が印象強いです。
    「赤銅鈴之助」はほぼ『伝説』笑、「ビリーパック」1961年まで連載されたということですが、5歳くらいで、作品との巡り合いには、間に合わなかった・・・。
    _
    「バットマン」のTV番組は、まさに大夕張にいた頃、よく見ていました。当時、「走らせても机から落ちない」プラモデルのバットマンカーを購入して遊んでいたこともあった。
    _
    「ルコック探偵」、自分は、小学館からでていた世界名作文集で読んだ印象の方が強い。こちらは、翻訳がわかりやすく、推理小説仕立てだったので、シャーロックホームズやアルセーヌルパンとともに、覚えています。

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