やまのむこうは? | 丸山直記
2021-07-20
2022-04-26
10465
私は、昭和23年6月10日に緑町で生まれました。
その後、鹿島小学校の裏側の住宅に移り、鹿島小学校、鹿島中学校、夕張東高校を経て、卒業するまで18年間住んでおり、私の精神形成は、純粋に大夕張でなされました。
子供の頃は、頭の中では世界は広いのですが、実感は全く無く、周りの山々の向こうには、もっと美しい街が見えるのだと、信じていました。
夕暮れに町が蒼く染め上がり、夕張岳のみが夕焼けで赤く輝いていると、一層そのことを信じたものでした。
小学生の冬のある日、意を決して裏山にスキーで登り、期待に胸を膨らませて、頂上について向こうを
眺めると、
「やっぱり山か!」
と落胆したことを覚えています。
住む予定など全く無かった東京にいますと、がっかりさせられた山々がとても懐かしく感じられます。
(1999年2月23日 記)