神社階段下の桜 1997

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平成9年(1997年)5月

大夕張に桜が咲き始めるころ。

階段脇には、ふきのとうと笹が繁る。

 

階段を上りきったかつての神社境内の入り口に立った。

夕張岳と昔遊んだ階段はまだ残っていた。そばに立つ桜と夕張岳を入れて写真を撮った。

 

眼下の広い緑の空き地に、虚しく寂しい思いを感じた。

 

 

時は経ち、2022年。

いまは、この写真の鹿島小学校のグラウンドと駅前の濃緑木々の向こうに建並ぶ緑町や弥生町の住宅を重ねて思い浮かべることができる。

 

この場所に行く道は残されているという。

 

junさんは、このそばの浄水場跡から『辛夷の花咲く』夕張岳の絵を描いた。

 

描いている最中に目の前で、草が騒ぐ音がしたという。

 

風の音だったかもしれない。それにしても熊の気配のようにも思えてぞっとしたという。

 

ここも次第に思いの届かぬ地になりつつある。

 

 

 

 

内川准一さんの『辛夷の花咲く』はこちらから↓

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