『ラジオ体操』の出来事 | 石崎佳美
2022-12-13
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朝のラジオ体操、初めて参加した時のことでしょうか。
私の後ろに、お隣りのお姉さんMちゃんが付き添いしてくれました。
代々木町の家の近くには、同じくらいの年齢の女の子は貴重な存在でした。
広場にみんなとゾロゾロあるいていた時に、Mちゃんが片方しか靴下を履いていないことを発見してしまい、大きな声で、
「Mちゃん、靴下かたちんばだよー」
と言うと、
「探したけど見つからなかったんだもん」
とMちゃん。
私は、ゲラゲラ笑ってしまいました。
広場に着いて整列しはじめたら、先程の仕返しとばかりに、Mちゃんが、
「よしみちゃん、スカート短くてパンツ見えるよ」
と大きな言われてしまいました。
私は笑いながらスカートの後ろを押さました。
その後、私はラジオ体操を思いきり出来なかったです😢。
手を上に上げると、パンツが見えてしまうから・・・。
私は、たしか…悔しくて。
大夕張を出て、札幌でMちゃんの家族に再会した時も、
「いつも、ケンカしていたね」
と言われた記憶を思い出しました。
私がいつも泣いて、自分の家に帰っていたような…。
毎日ケンカしていたかも。
よく鼻を赤くして、シクシク泣きながら炭鉱住宅の部屋の隅っこで泣いていました。
優しい父は、
「また、Mちゃんとけんかしたのか?」
と声を掛けてくれました。
私はケンカの後、いつも鼻を赤くし、口をとがらせながらいました。
Mちゃん、どうしていらっしゃるのかな…。
(2022年12月10日 )

学校や行事など『行き帰り』には、子どもの頃、似たような些細な出来事の一つ一つがあり、泣き笑いの記憶が自分にもきっとあったはず。
普段は、記憶の底に沈んでいてなかなか出てきませんが、写真や何かの話のきっかけで思い出すことはよくあります。