エルボンでの踊りの思い出|小野美音子
2024-05-15
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大夕張文壇の至宝、夕輝文敏様の作品の中に、BARエルボンの名を見たとたん、懐しさで胸が熱くなりました。・・
私はここで、踊っていた・・・
きれいな着物を着て仲間の女の子達と・・・・
食費がかさみ兄達の学費のために、踊りのバイトをした・・・・~と、いうわけではありませんでした。
日舞の若柳流、新春初踊りでエルボンを経営なさっていた方の御自宅の2階をお借りして(エルボンの小さかった娘さんも習っていたらしい)発表会が開かれました。
玄関にはハク製(鳥の?)があり、広い家でした。
当時、幼稚園は一日おきで、踊りでも習えば楽しかろうと母が思い、弥生町の吉田先生という、年配の優しいお師匠さんの家へ通いました。
仲間に、帯向酒店の久美ちゃん、その親戚の早苗ちゃん、佐藤時計店の由美ちゃんがいました。
ゴボウのような私が、小唄の三味線の音に合わせて踊るのですから、全くそぐわなかったと思いますが、久美ちゃんは上手で雰囲気がありました。
市丸さん、赤坂小梅さんの唄、娘道成寺、春雨、おてもやん、黒田節、梅にも春、峠、若柳流の朱色の練習扇などが記憶に残っています。
吉田先生はじきに御主人の都合で大夕張を離れ、その後、佐藤まり子先生という若い方に習いました。
この先生もとても上品で優しい方でした。
家に来て教えて下さった事もありました。
小学校に入る頃で、このお稽古はお終いになってしまったので、遠い昔の霞のかかった思い出という感じがしています。
その頃の仲間は、それぞれの人生で頑張っておられると聞いております。
(2001年5月19日 記)