坑内での動力について | Kawauchi Masami
今度は坑内での動力の話。
まず電気ですが、もちろんモーターですが、火花の出ない、防爆方を使います。
電気モーター
電気モーターは、大きな力を必要な時に使われます。
払いの機械や、H型コンベア、直径32mmのワイヤーを巻いたり人車を巻く巻き上げ機。ベルトコンベア、ガス警報器、その他です。
圧縮空気 エアモーター
後は動力に使うのは、4kgの圧縮空気です。
坑外に大きなコンプレッサーが有り、そこから6インチの鉄管で、延数十キロは有ると思いますが、隅々までエアー管が、張り巡らせて有ります。
そのエアー管の30m毎に、2インチの『取り出し』が付いていて、切羽では、2インチの、長さ25m カーボンホースを接続した、サイドダンプローダーが活躍してました。
サイドダンプは 左右の足回りにそれぞれ2つのエアーモータ、1つの油圧ポンプを回すエアーモーターの計3台のエアーモーターが、付いていました。
その他、ウオシントンポンプや 炭層で使うH型コンベアのエアーモーターなど。あと、ボーリングの機械もエアーモーターでしたね。
サイドダンプローダーと、ウオシントンポンプです。
あと、機材を搬入するのに、電車の通れない箇所は、ホイストと言う、巻き上げ機を使います。
主に12mmのワイヤーが、100mぐらい巻いて有って、水平坑道では、12mmのワイヤー。 斜坑では、16mmのワイヤーを使いました。
合図は、笛と、ヘルメットについてる電気を使います。
笛で、『巻け』が、2回、笛を吹く。『止め』が、笛を、長〜く、1回吹く。『下げ』が、3回、笛を吹く。でした。
電気の場合、『巻け』は、電気を丸く回します。『止め』は、電気を横に振ります。『下げ』が、電気を、立てに振ります。
全てのホイストは エアーモーターを使いました。バルブを、ゆっくり、開けたりして、巻く力をコントロールしていました。
上の写真では、腰に白い入れ物が見えますが、COマスクです。
坑内員全員、腰に付けていました。坑内火災の時、一酸化炭素を無害にします。
私も模擬坑道で、試験した事が有りますが、熱は出ますが、吸えました。
(2020年10月29日 記)
(筆者紹介)
昭和29年6月生まれ。三男として 南清水沢で生まれ、2歳の時、緑町に、のち春日町で18歳まで大夕張で暮らす。昭和48年、一時大阪へ転出するが、昭和50年帰郷、南大夕張鉱業所ヘ就職し、平成2年3月の閉山まで勤務