凍った石炭と雪鳴りの記憶 | 宇良田 彰

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 私の小学校時代(昭和30年代)、何故か1トン5円の石炭が、馬車で運ばれてきました。

 真冬の寒い日は、その石炭が凍り付いて、鶴嘴で砕いて、家の中に運び込む仕事をしたことを、懐かしく思い出します。

 フジキ式のストーブも、懐かしく思い出されます。

 今は暖かい土地で生活して居ますが、厳寒の時期に、長靴で踏みしめるキュッキュツという雪鳴りの音が、今でも頭の片隅に残っています。

 「気温がある温度以下になると、踏みしめる雪の音が変わるんだぞ」と、自分の子供に説明しても、その現実を体験できない我が息子と、娘の疑いの目が、何ともやるせない今日この頃です。

(2001年11月30日 記)


随想

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