文部省推薦映画 | 高橋正朝 #31

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 前回、ディズニーのドキュメンタリー映画、『 白い荒野 』で、『 レミング 』の『 自殺 』のヤラセのことを書いた。 その際、やはり、ディズニーのドキュメンタリー映画、『 砂漠は生きている 』のことにも触れた。

   

 両作品とも、日本での配給は、大映であることが、ウィキペディアに記載されている。

  

 ウィキペディアの『 白い荒野 』には書かれていないが、『 砂漠は生きている 』の項目には、興味深いことが書かれている。

 その部分をコピペしたのが、以下の太文字である。

 

 当時の文部省により半ば強制的に全ての義務教育校で鑑賞が義務付けられた。そのためディズニーと配給した大映は莫大な利益を手にすることとなった。あまりにも露骨なやり方だったため他省庁から非難され、以後強制的な動員をすることは無かった。   

 

 こんなことは、子ども時代の我々には、わからない負的なビジネスだよなぁ ••••••。

 前回書いたことだが、私は、両作品とも、大夕張の映画館で見たのか、それとも、テレビで一部分を見たのか、それとも、映画もテレビも両方見たのか、判然としない。

    

 『 レミング 』の『 自殺 』のシーンがある『 白い荒野 』は、協和会館で見たような気がしないでもない。 日本での初封切りは、1960年2月21日となっているので、もしかすると、見ていたのかもしれない。

  

 『 砂漠は生きている 』の日本での初封切りは、1955年1月14日とウィキペディアに記載されているので、映画館で見たとすれば、千年町にあった大夕張劇場だったろうと思う。 当時、鹿島東小学校の低学年生徒は、先生に引率されて、協和会館に映画を見に行くことはなかったからだ。

  

 この2つの映画が、大夕張の映画館で上映したかどうかは、私よりも年長者だと、記憶がもっとハッキリしているかもしれない。 因みに、私は1948年11月生まれだ。

    

 先生に引率されて見に行く映画は、70%ぐらいは、『 文部省推薦 』である。『 赤胴鈴之助 』『 月光仮面 』『 ラドン 』は、大夕張劇場で見たが、『 文部省推薦 』だったとは思われない。   

 文部省推薦映画ですぐ思い出すのは、『 二十四の瞳 』『 つづり方兄妹 』『 にあんちゃん 』『 蟻の街のマリア 』などで、一般的には内容としては暗いものが多い。

   

 先生に引率されて最初に見た映画は、千之 赫子 主演『 蟻の街のマリア 』だった。 私が見た 千之 赫子 出演の映画は、これ1本だけだ。 この人は、後に、東 千代之介 と、芸能人としては珍しく、見合い結婚している。

   

 『 文部省推薦 』と銘打った映画でも、『 白蛇伝 』『 西遊記 』( 原作は、まんが王連載の手塚治虫の「ぼくは孫悟空」) などはいいが、概ね、当時の『 文部省推薦 』映画は、涙を誘うような湿っぽい内容が多く、涙もろかった私は見たくはなかった。 

(2021年3月20日 記)


(筆者略歴)

 昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。


1件のコメント

  • 自分は、1956年生れ。高橋さんの8歳下の7学年違い。そして鹿島小学校に通った。
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    先生に引率されて協和会館に映画を見に行ったか、定かではない。あったかもしれないし、なかったかもしれない・・・・。
    そのかわり、鹿島小学校の映画室で見た記憶ははっきりある。
    先生に引率されて、一度学校の外にでたところにあった古い建物だったような気がする。
    中に入るとすでに薄暗く、すでに胸がわくわくししていた。
    ここで見る映画は、今とは違い、フイルムでの上映。始まると、フィルムのゴミのような映像から、③-②-①のカウントになり、みんなで「サン・ニイ・イチ!!」と大合唱したものだ。そして布をはった大きな画面に映し出されるタイトルとその後に続いて出る『文部省選定』の文字。
    _
    学級ごとに地べたに座って見るその時間が大好きだった。
    特に、東映動画のシリーズ、『少年猿飛佐助』のイメージが強烈に頭の中に残った。主人公の佐助少年、ではなく、敵方の『妖術使い夜叉姫』である。
    冷たく切れ上がった鋭い目、耳まで避けた口。佐助少年と戦う姿そのものが恐ろしかった。
    就職して、DVDが出た時、すぐに買った。
    解説には・・・「白蛇伝」に続く本格カラー長編アニメーション第二弾。檀一雄原作の極めて日本的な題材を取り上げ、日本初のシネマスコープ版で制作した傑作である(昭和34年12月公開作品)・・・とある。
    そういえば、東映動画のこの画風・・・その他にも、見たような気がする。
    文部省選定とされたものを含めて映画室ではずいぶんたくさんの作品を見たから、その中にこのシリーズもあったかもしれない。
    白蛇伝も夜叉姫の原型のような気もするし、そちらの記憶と被っているかもしれない。
    _
    いろいろ考えながら、パッケージを眺めていたが、さて、DVDを見てみると、少年の日の恐怖は訪れなかった。
    いささか拍子抜けした笑。

    __
    『鹿島のあゆみ』によると、鹿島小学校の映画室は石炭庫とともに昭和45年に取り壊わされている。
    石炭庫は昭和27年の増設工事で作られている。
    その頃作られた建物だったのだろうか。

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