取水堰付近の思い出|野崎昭雄

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 「音のある風景」のなかの取水堰のページを見ると、取水堰上流で、よく泳いだことを思い出します。

 選炭した下流とは違い、じつにきれいな流れでした。

 取水堰の堰下で、心得のある人は、よく八目うなぎを採っていました。

 取水堰の上流で泳ぎ空腹になると、焚き火をし、ようやく伸びてきた山ぶどうの若いつるを摘んで、火にあぶって食べていました。

 当時、赤痢がよく流行し、学校から食物・生水に注意するよう指示され、赤痢予防薬も配給されていました
が、そんなことなど忘れて、山ぶどうのつるを食べていました。

 たしか、近くにコークスを製造する工場があったと思います。

 泳いで体が冷えると、その工場のコークスを造っている炉のそばまで行って体を暖め、釣った魚があると、
炉の空気穴の所に魚が吸い込まれないように注意して置き、焼いて食べ、空腹を満たしたこともありました。

 
 これは、昭和28~30年ころの思い出です。

 

(2004年5月1日 記)


思い出ばなし

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