採炭から選炭へ(後編 選炭)|Kawauchi Masami
選炭機 石炭の選別
選炭機では『1号炭』、『2号炭』、『ズリ』に分けられます。
コンベアにのって石炭が運ばれてきました。
水に入れて煽っていきます。
水は流れています。その中でズリは沈み、ズリ山へ運ばれます。
少し軽い石炭は2号炭になります。
2号炭の荒目は家庭に配られます。細い炭は原料炭に混ぜて出荷されます。
2号炭は、少し質が悪くて また直径3cmぐらいの振るいにかけられます。穴の通った石炭は 1号炭と混ぜられ、出荷します。
落ちなかった荒目は、山炊き炭として、各家庭に運ばれます。1日10tも取れたでしょうか? 南大夕張ではこれで間に合いました。
ほとんど石油ストーブで、石炭ストーブの家は少なかったです。1号炭を家庭に配ると、火力が強くて、ストーブを溶かしてしまうそうです。
大夕張の家庭では、石炭ストーブが主流だったので、原料炭にズリを混ぜていたそうです。そういえば、灰が多かったですね。
貯炭場
石炭を貯めるサイロには、約1000t入ります。
選炭機で洗った石炭は、約1300t、選炭機に、貯蔵出来ます。
1日に洗える石炭の量は、ズリの混じった石炭を1300tぐらい洗えますが、 実際は、1000tから、1200t 洗っていました。
1日でできる石炭は、800〜1000tぐらいでした。 私達の時は、トラック輸送で35〜40台のダンプで、苫小牧を2往復してました。
出炭の多い日は、3回走る事も有りました。ダンプは、朝、美唄から来ていたダンプも有りました。運転手に聞くと安定して仕事が有ると言ってました。
積み込みは、朝5時ごろから始まって、1回目の積み込み、8時過ぎ迄かかりました。
6時間ぐらいで、苫小牧を往復して、昼11時頃から、2回目の積み込みが始まりました。
石炭のサイロが、満杯になると、外のタワーから落ちて、外の貯炭場に貯まります。
サイロの石炭は自分で落ちますが、外に落とした石炭は ブルドーザーで押さなければダメでした。
(2021年12月7日 記)
『採炭から選炭へ(前編 採炭)』はこちら
(筆者紹介)
昭和29年6月生まれ三男として 南清水沢で生まれ、2歳の時、緑町に、のち春日町で18歳まで大夕張で暮らす。昭和48年、一時大阪へ転出するが、昭和50年帰郷、南大夕張鉱業所ヘ就職し、平成2年3月の閉山まで勤務。