南大夕張の選炭機|Kawauchi Masami
私が勤務していた南大夕張の選炭機のはなしです。
運転の時、操作盤のランプテストあとに、工場内に2回のベルの合図、3回目で運転です。
運転は両手で、同時に2つの運転スイッチを押します。
順番に運転していきます。
石炭が上がってきました。
水槽で煽りながら、比重の違いで石炭とズリを、分けています。水は流れています。
その中でズリは沈みます。
少し軽い石炭は2号炭になります。
2号炭の荒目は家庭に配られます。
細い炭は原料炭に混ぜて出荷されます。
これはバケットエレベーターといいます。
手前のエレベーターはズリです。
奥のエレベーターは2号炭です。
原料炭を振るいにかけています。
シックナーという、水槽があります。
石炭を洗った水には、まだ石炭が付いているので、この水槽で沈殿させます。
直径30mくらいのが3基あります。
真ん中に見える小屋にモーターが付いていて、下には、ヘドロを真ん中に寄せるように、羽根が2時間に1回ぐらい回るペースでゆっくり回っています。
集めたヘドロには石炭がいっぱい有りますので、ポンプアップして、又工場に入れます。
底に残るのは大量のヘドロです。
これは遠心分離機にかけられ、少しセメントを混ぜて、採炭の終わった空間にパイプで坑内へ戻されます。
ポンプアップして工場に入った石炭の入ったヘドロは、そこで洗剤と混ぜます。
洗剤を入れると、泡に石炭が付き、画面で見えるハネを回して集めています。
泡に付いた石炭は、デスクフィルターと言う機械にかけられます。
暗い工場なので映像はありません。
デスクフィルターでは、泡の入った水槽に、ステンレスの非常に細かい目(ガーゼくらい)のフィルターをいれ、真空に吸わせます。
約五センチメートルの大きさの石炭がいっぱい吸い付きます。
そのまま外に出して、高圧のエアーをかけて、下のベルトコンベアに吹き落とします。
そこの 映像も欲しかったのですが 工場が暗くて 撮れませんでした。
出来上がった石炭です。
約1300t入る貯炭庫に平らに寄せています
シックナーを写してる場所は、いつも写真で使われる『南大夕張』と書いてある1番左の空いてる窓です。
映像は、閉山前に友達が わざわざ ビデオカメラを買って 撮りました。
こちらは、工場の上から、 積み込み を撮影してます。
積み込みの所で、ダンプ輸送の2つのホッパーが見えますね。
すぐ隣のコンクリートの壁の隣に鉄道輸送の時のホッパーが有りました。
積み込みのベルトコンベアーに計りが付いていて、石炭が通った時の重さを計って正確に積み込みをしていました。
作業時間ですが、機械が自動運転終わるまで約5〜6分かかります。
実際は運転ボタン押してから、3人で工場のバルブを開けたり、閉めたり、洗剤の調整とか 正常に回っているか、見るので、30分〜35分ぐらいかかります。
1番方と3番方の石炭はサイロに貯めます。
サイロが一杯になると、外の貯炭場に落ちますが、外に落とすとブルドウザーで押す手間がかかります。
石炭は2番方で洗います。管制室に2番方の石炭が、何時に上がってくるか聞いて、1番方と3番方の石炭の量を計算して、運転時間を決めます。
2番方の石炭だけだと、量が少なくて、洗えません。
大体いつも17時ごろ〜23時ぐらいに、洗い終わりました。
最後に、私の、坑内の時の資格と辞令です。
(筆者紹介)
昭和29年6月生まれ三男として 南清水沢で生まれ、2歳の時、緑町に、のち春日町で18歳まで大夕張で暮らす。昭和48年、一時大阪へ転出するが、昭和50年帰郷、南大夕張鉱業所ヘ就職し、平成2年3月の閉山まで勤務。