30309

南大夕張の選炭機|Kawauchi Masami

 

私が勤務していた南大夕張の選炭機のはなしです。

 運転の時、操作盤のランプテストあとに、工場内に2回のベルの合図、3回目で運転です。
 運転は両手で、同時に2つの運転スイッチを押します。

 

順番に運転していきます。


 石炭が上がってきました。


水槽で煽りながら、比重の違いで石炭とズリを、分けています。水は流れています。
その中でズリは沈みます。
少し軽い石炭は2号炭になります。
2号炭の荒目は家庭に配られます。
細い炭は原料炭に混ぜて出荷されます。


 これはバケットエレベーターといいます。
 手前のエレベーターはズリです。
  奥のエレベーターは2号炭です。

バスケットエレベーター


原料炭を振るいにかけています。


 シックナーという、水槽があります。
 
 石炭を洗った水には、まだ石炭が付いているので、この水槽で沈殿させます。

 直径30mくらいのが3基あります。

 真ん中に見える小屋にモーターが付いていて、下には、ヘドロを真ん中に寄せるように、羽根が2時間に1回ぐらい回るペースでゆっくり回っています。

シックナー

 集めたヘドロには石炭がいっぱい有りますので、ポンプアップして、又工場に入れます。

 


 底に残るのは大量のヘドロです。
 これは遠心分離機にかけられ、少しセメントを混ぜて、採炭の終わった空間にパイプで坑内へ戻されます。

 

羽根で石炭のついた泡を寄せる

 ポンプアップして工場に入った石炭の入ったヘドロは、そこで洗剤と混ぜます。
  
 洗剤を入れると、泡に石炭が付き、画面で見えるハネを回して集めています。 


 泡に付いた石炭は、デスクフィルターと言う機械にかけられます。
 暗い工場なので映像はありません。
 デスクフィルターでは、泡の入った水槽に、ステンレスの非常に細かい目(ガーゼくらい)のフィルターをいれ、真空に吸わせます。
 約五センチメートルの大きさの石炭がいっぱい吸い付きます。

 そのまま外に出して、高圧のエアーをかけて、下のベルトコンベアに吹き落とします。
 
 そこの 映像も欲しかったのですが 工場が暗くて 撮れませんでした。

 

出来上がった石炭です。

約1300t入る貯炭庫に平らに寄せています

 

 


 シックナーを写してる場所は、いつも写真で使われる『南大夕張』と書いてある1番左の空いてる窓です。

 

 映像は、閉山前に友達が わざわざ ビデオカメラを買って 撮りました。

 


 こちらは、工場の上から、 積み込み を撮影してます。

積み込みの所で、ダンプ輸送の2つのホッパーが見えますね。

すぐ隣のコンクリートの壁の隣に鉄道輸送の時のホッパーが有りました。

積み込みのベルトコンベアーに計りが付いていて、石炭が通った時の重さを計って正確に積み込みをしていました。


 作業時間ですが、機械が自動運転終わるまで約5〜6分かかります。

 実際は運転ボタン押してから、3人で工場のバルブを開けたり、閉めたり、洗剤の調整とか 正常に回っているか、見るので、30分〜35分ぐらいかかります。

 1番方と3番方の石炭はサイロに貯めます。

 サイロが一杯になると、外の貯炭場に落ちますが、外に落とすとブルドウザーで押す手間がかかります。

 石炭は2番方で洗います。管制室に2番方の石炭が、何時に上がってくるか聞いて、1番方と3番方の石炭の量を計算して、運転時間を決めます。

  2番方の石炭だけだと、量が少なくて、洗えません。

 大体いつも17時ごろ〜23時ぐらいに、洗い終わりました。

最後に、私の、坑内の時の資格と辞令です。


(筆者紹介)

昭和29年6月生まれ三男として 南清水沢で生まれ、2歳の時、緑町に、のち春日町で18歳まで大夕張で暮らす。昭和48年、一時大阪へ転出するが、昭和50年帰郷、南大夕張鉱業所ヘ就職し、平成2年3月の閉山まで勤務。


思い出の記

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