〘 暗黒街の伊達男 〙という題名の映画はあったか?|高橋正朝 #103 

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 実は、この題名の映画は、本当にあったものかどうか、疑惑の対象である。

 ネットで検索してみると、〘 暗黒街の伊達男 〙という題名の映画はでてこない。

    

 〘 暗黒街 〙〘 暗黒街の対決 〙〘 暗黒街の帝王 〙〘 暗黒街大通り 〙

その他がでてくるが、首題の、〘 暗黒街の伊達男 〙は、ありそうな題名だが、でてこない。

    

 この題名の映画が、ネットにでてこなくても、実際にはあったかもしれないが ••••••。

 しかし、無い可能性のほうが大きいみたいだ ••••••。

    

 この〘 暗黒街の伊達男 〙という映画の題名は、実は、テレビのホームドラマで知ったのだ。

 

 そのホームドラマのタイトルは、〘 ママちょっと来て 〙。

    

 私が、鹿島東小学校4年生の秋に、我家にテレビがきたが、翌年に、このホームドラマが始まった。

 日本テレビが、4年近く放送したホームドラマで、この番組を視聴した、当時の大夕張の人も多かったろうと思う。

    

 当時のシリーズもののホームドラマは、アメリカのホームドラマばかりだった。

 〘 パパは何でも知っている 〙、〘 うちのママは世界一 〙、〘 パパ大好き 〙、〘 ビーバーちゃん 〙

などなど••••••。

 

 そういう中にあって、日本の家族の生活を中心にした、この〘 ママちょっと来て 〙は、和製ホームドラマとしては嚆矢と言っていい。

 

 我々の年代の人たちはご存知のとおり、夫婦役は、千秋実と乙羽信子。

 長女役は山岸映子。 長男役は中野しげる。 次女役は坂倉春江。

    

 長女と長男に扮する子役の名前は記憶していなかったが、末っ子の次女に扮する坂倉春江の名前は覚えていた。 

  

 その理由は、以下のとおりである。  

 

 番組のある回で、乙羽信子が扮するママに、街で見た、映画のポスターの題名のことを、末っ子に扮する坂倉春江が、『ねぇママ、暗黒街の​イタチ​​​男​​てなぁに?』と訊いた場面があった。 

   

 この末っ子の年齢設定は、小学校の4年生ぐらいだったように思う。

 漢字の伊達を、イタチと読んだわけだ。

 しかし、漢字の暗黒街をアンコクガイと読んでいる。

    

 現在は知らないが、当時、小学校4年生では暗黒街の、アンコクという表現を授業では習わなかった。

 伊達も同様だ。

 近所や同級生に、伊達という苗字の人がいれば、知ることになるが、そういう人はいなかった。

    

 しかし、マンガの題名や映画のポスターなどで、暗黒街は、アンコクガイと読むのは、小学4年生でも知っていた。

 現に、この末っ子は、アンコクガイをちゃんと読んでいる。

    

 伊達は、伊達政宗のダテで、この名詞は、日本歴史や地理を学習する以前に、やはり、マンガや映画のポスターなどで、全員とは言わないが、当時の小学4年生の多数は知っていただろう。

    

 ダテオトコの辞書的な説明はできなくても、何となく、ダテオトコの意味をイメージしただろう。

    

 いずれにしても、このドラマの場面のおかげで、末っ子を演じた、坂倉春江の名前を記憶することになった。

 長女役と長男役を演じた子役の名前は、まったく記憶には残らなかった。 ここに書き連ねたのは、ウイキペディアをチェックしたからだ。

   

〘 暗黒街の伊達男 〙という映画は、実際にはなさそうだが、でも、私は、大夕張劇場のガラス窓越しに、見たような気がするのだが ••••••。 

   

 あの当時、チャンバラ映画の全盛だったが、同時に、ギャング映画も多かった。

 それで、〘 暗黒街の伊達男 〙というありそうな映画の題名を、私の脳が勝手に、妄想に焼付けたのかも ••••••。

 

 (2022年7月30日 記) 


      

(筆者略歴)

 昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。


1件のコメント

  • レストランのバイキング会場で、『公魚』と書かれた魚が出されていたことがあった。
    「いったいなんていう魚だろう」と大人4人で首をひねり誰も読めなかった。
    「こうぎょ」のワケがないのは、感じてはいたが、正解はでてこなかった。
     
    子どものころ、トンでもない誤読をしていた漢字ってたくさんあったと思う。
    「海女」うみおんな?かいじょ?あまなんて見たことも聞いたこともなかった。
    読み間違えるのはまだ良い方で、「縁日」という漢字を「みどりび」と読んでいたこともあった。
    縁を頭の中でかってに「緑」に置き換えてそうなった・・・・。
    高橋さんの文章を読んでなぜ、そう読み間違えたのかすぐにわからなかった。
    なるほど、そのまま読めばそうなるかと気付くのに時間がかかった。
    頭が堅く「頭の体操」が必要な今日、この頃。
     
    ちなみに最初の「公魚」は「わかさぎ」でした。
    シューパロ湖にもいましたね。

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