謄写版と謄写版インクを利用した図工の授業 | 高橋正朝 #165

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 鹿島東小学校6年生の図工の授業で、庭田和子先生が、次週、図工の時間に、海を題材にした絵を切り貼りするので、各自、何かのアイデアを考えるように仰った。

    

 明確な宿題ではないから、あまり、真剣にアイデアを練らなかった。

    

 大体、私は、予習復習をやる児童ではなかった。

 私だけでなく、他の児童というか、ほとんどの男児は似たりよったりだった。

    

 菊組の女児はマジメだったので、アイデアを考えた人もいたようだ。

 

    

 当日の朝、登校途中、同級生の男児同士で、図工の授業のアイデアの話しをした。

 驚いたことに、皆、何某かのアイデアを持っていた。

 1週間前から考えたアイデアなのか、昨晩考えたアイデアなのかはともかく、皆、ちゃんとしたアイデアを持っていたのだ。

    

 これには、内心、私は少々慌てた。 何かかんがえなきゃ ••••••。

   

 昨晩、一応、ハサミとノリは準備してカバンに入れていたのだが、私のアイデアはゼロだった。

   

 その日の図工の時間は、3時間ぐらいあったように思う。

    

 何も描かれていない白い画用紙を、各自のアイデアで適当に切り、それを画用紙に貼り付けるのだ。

    

 その貼り付けた画用紙を、庭田先生が謄写版に載せ、謄写版インクをローラーで塗り付けた。

    

 各自の出来上がった作品は、インクの色合いもあって幻想的な印象だった。

    

 こういうふうに書くと、この図工の方法を正確に表現しているように思うであろうが、実は、全然具体的でないのだ。

    

 切り貼りした画用紙を、謄写版にどう載せたか全く覚えていない。

    

 切り貼りした画用紙を、謄写版原紙( ロウ原紙 )の上に置いてインクをローラーしたのか、それとも原紙の下だったのか ••••••。

    

 切り貼りした画用紙は、言わば版木の凹凸みたいなもので、別な画用紙に押印したものが最終的な作品になるのだが、そのプロセスの詳細が思い出せずに歯痒い思いだ。

   

 この図工は、このとき1度かぎりの作成だった。

    

 庭田先生は、以前書いたことだが、当時の鹿島東小学校の4年生は、6年生までの3年間はクラス替えせずにやがて卒業になるのだが、4〜5年生菊組の担任だった北沢千鶴子先生が鹿島中学校に転任となり、後任が、鹿島小学校から転任してきた庭田和子先生だった。

   

 多分、庭田先生は、以前の鹿島小学校でも、東小学校で勤務を続けてからも、同じ内容の授業をしたものと思われる。 だから、この謄写版を利用した図工を経験した人たちも、かなりの数になると思う。

    

 この謄写版を利用した芸術作品?の作成プロセスをご存知の方は、ご教示下さい。

    

 この謄写版は、現在では廃れてしまったが、ネットでチェックしてみたら、中古品は出回っているが、B5判を印刷できる新品を製造しているメーカーは、私がチェックした範囲のネットの記事には出てこない。 ただし、ハガキサイズを印刷できるキットは新品も売られている。

    

 私が、このときの図工の時間でのやっつけ仕事の作品は、画面の手前が海中で揺らめく数葉のコンブで、遠景に潜水艦を配置した。

 これは、手塚治虫と横山光輝のマンガをヒントにしたものだったように思う。 潜水艦マンガとしては、小沢さとるのサブマリン707が有名だが、そのマンガが少年サンデーに連載になったのは、3〜4年後だった。

    

 揺らめくコンブは、3〜4枚の切り抜いた画用紙を部分的に重ねたので、謄写版で印刷したときは、想像しなかった陰影効果がでて、それをいたく気に入った。

 インクが濃い藍色だったのも、効果を倍増した。 やっつけ仕事だったが、気に入った作品だった。

 

 (2023年10月7日 記)


(筆者略歴)   

 昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。

メール宛先:taka-jp@outlook.com  (メール宛先変更になりました)

  


1件のコメント

  • 謄写版、昭和30年代なかばの頃の話だろう。
    それから20年後、自分が就職したとき、職員室では、やはり謄写版の時代だった。
     
    ロウ原紙を使用した所謂ガリ版で、当時の教師たちは印刷物はみんなカリカリと鉄筆で原稿を作り、すべての手刷りでありす べての作業は手作業だった。
     
    それから20年後、すでにワープロ、PCの時代になっていた。
     
    いまさらながら時代の流れは加速度的であり、驚かされる。

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