ふたり

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 炭鉱住宅の軒先。

 虫採り網を立てかけ、虫かごをもたされて、「今はそんな気分じゃないよ」と、ご機嫌斜めの気分の中で、父がシャッターを切ったような、そんな記憶がおぼろげながら浮かぶ。

  

 

 小さい頃よく女の子と遊んだ。

 近所の公園や空き地に咲いた『たんぽぽの海』での「花摘み」

 その後の、黄色いタンポポや白いクローバーの花を編んで作る『花の首飾り』や腕輪づくり。

  

  

 玄関やの軒先の石の上に蓙を敷き、二人のママゴト。

 砂利のご飯に、石の饅頭。

 花びらをすりつぶしてできた色水のジュース。

 それらをあり合わせの容器に入れて蓙の上に並べ、満足していた。

   

 そんな仲良しの女の子とも、小学校に入学してからは、口も聞かなくなった。

 

  

 「ふたり」という思わせぶりな写真のタイトルと、思い出の中味につながりはない。

 

 男の子と女の子が写っているというそれだけの意味(笑)。

 

 

 

白黒写真に着色した画像

 

 

 

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