南大夕張 | 三菱石炭鉱業株式会社 南大夕張砿業所(6)
三菱石炭鉱業株式会社南大夕張砿業所が、1992年(平成2年)に閉山する直前、昭和から平成に移りゆく頃に発行した企業紹介のパンフレットから。
【炭質】
本邦再優良の弱粘結原料炭
標準炭質分析値
発熱量(8.350kcal/kg)
工業分析(水分1.1% 灰分3.4% 揮発分38.5% 固定炭素57.0%)
燃料費(1.48)
硫黄分 (0.3%)
高カロリー、低灰分、低硫黄
燃料比が高い
流動度が極めて良い
過熱熔融石炭の流動性を示す指数で、高い当鉱の原料炭は、低い輸入原料炭と頗る相性が良く、混炭して良質なコークスを造るための混合調和用として、極めて貴重な存在である。
製 品 銘 柄
M6.5C 原料炭
保証品位 灰分6.5%
M60S 一般炭
保証品位 6000kcal/kg
M52S 一般炭
保証品位 5200kcal/kg
製 品 向 先
原料炭(60%)
(ガス33%・鉄鋼23%・コークス4%)
一般炭(40%)
(電力26%・セメント14%)
※63年度実績
弱粘結原料炭について
石炭は粘結炭と非粘結炭に大別され、粘結炭はさらに強粘結炭と弱粘結炭に分類される。
高温乾留によってコークスをつくる際には石炭中の揮発分が追い出されるが、同じ粘結炭でも揮発分が少ないほど強度のある良質のコークスを製造することができる。
石炭の商取引においては石炭の用途から、無煙炭、原料炭、一般炭の3種類に分類する。
無煙炭はコークス配合用、練炭、豆炭の製造などに用いられる。
原料炭は、
① 製鉄高炉用コークス製造用の粘結性の高い原料と
② 高炉吹込み用のPCI炭※に区分できる。
一般炭は、粘結性のない瀝青炭および亜瀝青炭で発電用、ボイラー用の燃料となる。
以上
『独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構石炭開発部(令和4年11月) 石炭の分類』の解説より