視聴者参加番組〘 素人ラジオ探偵局 〙

これは、NHK 第二放送の番組だった。　

NHK 第二放送を聴いていたのは、鹿島東小学校の３年生になって、天気予報を熱心に聴き始めたからである。

その理由は、天気予報図に興味をもち、多少ではあるが、理解できるようになったからである。

理由は知らないが、当時、天気予報に関しては、NHK 第一放送よりも、NHK第二放送のほうが頻度が高く、より詳しかった。

ある日、『 ••••••北北東の風、風力２•••••• 』とアナウンサーがゆっくりしゃべっているのを、わら半紙に書き込み、新聞の天気予報図と比較していた。

ラジオのダイヤルはそのままである。　やがて、アナウンサーが、『 ラジオ探偵局の時間です 』といって番組が始まった。　『 素人 』という言葉が入っていたかどうかは記憶は定かでない。　

私が、この番組を聴いたのは、ハッキリした記憶ではないが、午後の３時ごろである。

今回、この稿を投稿するつもりで、念のため、〘 素人ラジオ探偵局 〙をネットでチェックしてみた。

驚いたのは、〘 キネスコープ 〙を用いて、テレビ放送もしていたことである。

NHK がテレビ放送を開始したのは、1953年(昭和28年)2月1日となっている。　　　

〘 素人ラジオ探偵局 〙のラジオ放送は、1953〜1960年度となっており、キネスコープを用いたこのテレビ放送は1954〜1955年度なので、当時の大夕張在住者の大多数は、このテレビ放送は観ていないはずだ。　

もう一つ驚いたのは、ラジオ放送は、午後9時15分からの30分番組だったということである。　

私の鹿島東小学校時代、妹や弟も午後8時になると寝かされていた。

私のカン違いと言われるだろうが、しかし、この番組は、十回ぐらいは聴いていると思う ••••••。　　

もし、録音していた番組を再放送したものを、私が聴いていたなら納得できるのだが ••••••。　この番組を再放送していたかどうかは不明。　当時の北海道で発行されていた新聞のラジオ番組表をチェックできればわかるのだが ••••••。　

寸劇を、素人探偵や会場にきている観客の前で行い、犯人探しを楽しむ趣向である。　素人探偵が正解をだして犯人がわかると、賞金がでる番組だった。　賞金額は公表されていたが、私は覚えてない。

そのラジオ放送の内容の一部分の記憶に、こういうのがある。　

犯人がナイフを持って被害者を襲うのだが、その刹那、被害者は、犯人の顔は見ていないが、しかし、鏡に映ったナイフを持った犯人の手は見ていた。　　

鏡に映った犯人は、はたして、右利きか？左利きか？というのがポイントの寸劇だった。　

この〘 素人ラジオ探偵局 〙は、犯人探しということで、私が好きな番組だった。　寸劇を聴きながら、犯人を推測するのだが、結論からいうと、毎回ハズレていた。　　

鏡に映った犯人が、右利きだったか左利きだったかというプロットは、マンガのネタにもなっていた。　

鏡ではないが、同様なカテゴリーで、写真をネタにしたアメリカのギャング映画があった。　　

ギャングのソックリさんが、医者になりすますのに、医者の顔写真を撮り、その写真に映った医者の頬にあった傷を、ギャングは自分で自分の頬に傷つけるのだが、写真をプリントする際、ネガを裏返して焼付けてしまい、顔の傷の場所が、左右逆になってしまったという B 級映画である。

この映画、私は、〘 The  Scar 〙というタイトルで観たのだが、配給の関係なのか、まったく同じ内容で、〘 Hollow  Triumph 〙というタイトルでも、無料ユーチューブで観れる。　段階を踏むと、日本語字幕も表れる。

この英語のタイトルは、他の犯罪映画にもよく使われるので、〘 The  Scar  1948,  youtube 〙もしくは〘 Hollow  Triumph  1948,  youtube 〙で検索すると見つけやすい。　

（2024年11月9日　記）

（筆者略歴）　　　

　昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。

メール宛先：taka-jp＠outlook.com 　(メール宛先変更になりました）