そり
2021-03-08
2021-03-09
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『そり』といえば、この赤茶けた台車のような形をした、木製の『そり』しか覚えがない。
台車の下の車輪の代わりに、細い二本の板に、鉄板が打ち付けてあった。
小さいころ、冬は購買会への買い物に手伝いをして、これでみかん箱や、リンゴ箱を載せて運んだこともあった。
力で押すタイプでしかも、重心がやけに高くて不安定で、とても運びにくかった記憶だけが鮮明に残った。
あるとき、そりをひっくり返して、そのたよりない細い二本の足の裏を、見てみたことがあった。
すると雪に出ていた石をふんだのか、細い鉄板に擦れた傷がつき、打ち付けた釘がぬけかけていた。
これで、よくあんな重いものを運んだり、滑って遊んだな、と今は思う。
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富士見町5丁目あたりの線路そばの空き地