お祭りの夜店
子どもの頃は、夜店(よみせ)といっていた。たまに、出店(でみせ)と呼ぶこともあったが、「よみせ」といっていたことの方が多かった。
自分が子どもの頃は、お祭りとお盆の三日間は、鹿島小学校の東側の門の坂下から、鉄道線路の西側の道路と空き地にそって、ずらりと多くの露店が建ち並んだ。
写真には、懐かしいお面がずらりとならぶ。
定番だった「ひょっとこ」、「おかめ」を押しのけるように、当時テレビ放送で男の子に人気だったキャラクターがずらりと並んでいる。
昭和41年~42年にかけてテレビ放送された「ウルトラン」と、昭和42年~43年にかけて放送された「ウルトラセブン」のお面がすぐ目にとまった。
昭和38年に放送の『鉄人28号』のお面がある。この中ではちょっと先輩だが、人気を保ち続けていたのだろう。こちらはお面の正面には、ご丁寧にも『鉄人28号』とかいてある。
『パーマン』もあるが、これも昭和42年~43年の放送だ。
テレビ放送の年代からすると、この写真は昭和43年以降のものだと思うが、昭和43年というと、自分は中学生になった年であり、さすがに、男の子とはいえ、お面に興味はあまり持たなくなっていた。
昭和30年代後半、『まぼろし探偵』『月光仮面』『七色仮面』『ナショナルキッド』などのお面が、露店には出ていた。
その頃、自分にとっては、『まぼろし探偵』と『七色仮面』は、お気に入りだった。
お小遣いの中から夜店で、お面を買っていた。
お面を被って、風呂敷をマフラー、マントに装着すると、すっかりその気になり、椅子や机の上から空中にジャンプしていた。漫画の主人公になりきり、とっても気持ちよかったが、そのたび、親に「うるさい」と、しかられ、凹むのがオチだった。
お面の薄いプラスチックはたいてい、耳のゴムで留めてあるところから、すぐ、ヒビが入り壊れた。セロテープで貼り付けて直しても、すぐに別のところから割れ、所詮だめだった。
それでも、あきもせず、包装紙や、空き箱の厚紙を使って、お面を自分で作って遊んだ。その内、漫画の主人公になることよりも、お面を作ること自体が面白くなり、目的化した。 そんな時期もあった。
さて、写真には、女の子のキャラクターもいっぱいいる。よくわからないお面もある。特に、女の子のお面は、当時のはやりもよく知らないからなあ。『あんみつ姫』?という言葉も浮かんだけれど、ちょっと古いだろうか。