サッカーボールの思い出|成松泰彦

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 中学3年の修学旅行が終わってすぐに転校する事を知っていたが、友人には知らせていなかった。

 6月の事だった。

 そんな当の本人も、転校の事を知らされたのは、わずか2週間ほど前の事で、心の準備がいた。

 

 何か自分の思い出を残していきたかった。

 

 
 休み時間になると中庭で、男子も女子も輪になってバレーボールを落とさずに何回、トス回しができるかに興じた。

 

 
 そして放課後、グラウンドが空いていれば決まって、サッカーボールを借りてきては、皆で走り回った。

 
 ボールがない時をのぞいては・・・

  
 だからサッカーボールと、バレーボールを贈った。

 

 
 皆はすぐにボールに『3-B』と記してくれて、僕の名前も入れてくれた。

 

 

 

 昨日、Jリーグのチャンピオンシップで鹿島アントラーズが王者に輝いた。

 
 Jリーグ発足当時から『鹿島』という名前の響きにひかれて応援してきた。

 
 こんな鹿島馬鹿がいてもいいかなと、思う。

 
 そして、中学校のあのときのボールの事が蘇ってきたのです。

(1998年11月29日 記)



思い出ばなし

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