サッカーボールの思い出|成松泰彦
2021-08-25
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中学3年の修学旅行が終わってすぐに転校する事を知っていたが、友人には知らせていなかった。
6月の事だった。
そんな当の本人も、転校の事を知らされたのは、わずか2週間ほど前の事で、心の準備がいた。
何か自分の思い出を残していきたかった。
休み時間になると中庭で、男子も女子も輪になってバレーボールを落とさずに何回、トス回しができるかに興じた。
そして放課後、グラウンドが空いていれば決まって、サッカーボールを借りてきては、皆で走り回った。
ボールがない時をのぞいては・・・
だからサッカーボールと、バレーボールを贈った。
皆はすぐにボールに『3-B』と記してくれて、僕の名前も入れてくれた。
昨日、Jリーグのチャンピオンシップで鹿島アントラーズが王者に輝いた。
Jリーグ発足当時から『鹿島』という名前の響きにひかれて応援してきた。
こんな鹿島馬鹿がいてもいいかなと、思う。
そして、中学校のあのときのボールの事が蘇ってきたのです。
(1998年11月29日 記)