故郷大夕張 |西村武博

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 1998年の夏


 私は、道内なのでこの夏に暇がある時に何度か大夕張へ足を運びました。行く度に感じたことは、懐かしいという感情と、寂しいという感情の入り交じったものです。

 
 大袈裟に言うと、ここでの生活は何だったのだろうかと考えてしまいます。

 冬は極度に寒くどっさり降る雪。

 家の裏側は、除雪をしないと屋根と地面がくっついてしまうことがあった。 

 逆に夏は暑く、部活動の練習では、死ぬかと思ったことがある。


 小学校、中学校はクラス数も多く、僕たちの学年はF組まであった。先生も変わった人がいっぱいいて、...


 しかし、今行くとそこには何も無いのです。まるで嘘のように静まりかえっています。

 暗くなると気味が悪くなるだろうと思うほど、何も無く人もいません。

 

 都会生まれの人には、故郷が無くかわいそうということがありますが、故郷が有って消えていくのも別の意味で寂しいものです。


 ついつい暗い話を書いてしまいましたが、仕事で辛くなった時等に思い出すと少し気が休まるのは、やはり
故郷大夕張です。


(1998年12月12月08日 記)


随想

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