サイレンの音を聞くと・・・・|野崎昭雄
2021-10-02
2024-06-09
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「思い出貼」-「音の風景」の「サイレン」を聞くと、重苦しい雰囲気を思い出します。
鹿島小学校の授業中に、単発のサイレンを聞くと、定刻の知らせと安心しましたが、突如、連続して鳴りだすと、沈痛な雰囲気となりました。
定刻以外で連続して鳴りだすと、炭坑(ヤマ)が崩れたか、ガス爆発が発生したという合図だったからです。
自分の父親が犠牲となったものか、友達の父親が犠牲となったものか、誰もが、とてつもない不安にかられたからでした。
そのために、誰もが無口となり、まさに学校全体が重苦しい空気に包まれたようでした。
犠牲となった家の葬儀が終わり、会社から補償金がでると、友達が教室から一人消え、二人消えていきました。
父子家庭であったI君は、親戚と称する人がきて、連れていってしまいました。
A子さんの母親は、補償金を持って、ほかの男性と家出をしてしまい、A子さん初め、兄弟たちは家に取り残されてしまったということもありました。
サイレンを聞いて、なぜか、このようなことを思いだし、約50年前の大夕張時代を、回想することになってしまいました。
(2004年4月25日 記)