サイレンの音を聞くと・・・・|野崎昭雄

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「思い出貼」-「音の風景」の「サイレン」を聞くと、重苦しい雰囲気を思い出します。

 鹿島小学校の授業中に、単発のサイレンを聞くと、定刻の知らせと安心しましたが、突如、連続して鳴りだすと、沈痛な雰囲気となりました。

 定刻以外で連続して鳴りだすと、炭坑(ヤマ)が崩れたか、ガス爆発が発生したという合図だったからです。

 自分の父親が犠牲となったものか、友達の父親が犠牲となったものか、誰もが、とてつもない不安にかられたからでした。

 そのために、誰もが無口となり、まさに学校全体が重苦しい空気に包まれたようでした。

 犠牲となった家の葬儀が終わり、会社から補償金がでると、友達が教室から一人消え、二人消えていきました。

 父子家庭であったI君は、親戚と称する人がきて、連れていってしまいました。

 A子さんの母親は、補償金を持って、ほかの男性と家出をしてしまい、A子さん初め、兄弟たちは家に取り残されてしまったということもありました。

 

 サイレンを聞いて、なぜか、このようなことを思いだし、約50年前の大夕張時代を、回想することになってしまいました。

 

(2004年4月25日 記)


思い出ばなし

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