大夕張を訪ねて|森雄司

12982

 三重県生まれで、三重県育ちの僕が、大夕張を訪ねたのは、9月中旬で偶然の出来事でした。

 僕と妻は、「幸せの黄色いハンカチ」のファンで、そのロケ地を訪ねた後、富良野に向かい国道452号線を走っていました。

 除雪車のような機関車が置いてある所を少し走ると、人気の無い町があり、カーナビはそこが鹿島であると教えてくれました。

 ナビの画面上には郵便局や、交番のマークが出ていたが、そこに建物は既に無く、何軒か残っている建物もひどく痛んでました。

 車を止め、学校や、商店、スキーのリフトの施設と思われる残骸を見ていると、この北の大地に帰りつつある町に畏敬の念すら覚えました。

 
 今日、このホームページを見つけ、自分が見た町が賑わっていた時の写真があり、とても興味深く拝見しました。

 そしてこの町がダムに沈むことを知りました。

 
 僕が生まれる何年も前から、日本のエネルギーを支えてきたこの町が、このようなかたちで無くなるのを非常に残念に思います。

 僕らの世代では夕張が炭坑の町と連想する人は少ない(メロンと答える)のですが、僕は偶然訪ね、強く印象に残ったこの町をずっと覚えていたいと思います。

 

(1999年12月5日 記)


随想

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