ミカン箱のそり | 内川准一

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 みかんの箱のふたを取ると、下から現れる絵柄のセロファン。

 

 産地によって、いろいろと趣向を凝らしたみかんの絵だったり、凝った模様がセロファンの縁を飾っていたりしたものでした。

 
 きれいなものは、南国に思いをはせながら、集めましたよね。

 そして、箱の方は、最後には手作り「そり」になったものです。

 
 私のバヤイ、スキーじゃなく、雪スケートかなんかを打付けて作っていたような。

 
 こんなもんで、道路と言わず、崖と言わず、滑っていたのだから、毎日のように壊れてたのも当たり前。

 それでも、釘が尻に刺さったこともなく、怪我もしなかったのです!

 本格的なそりと違って、たぶんスピードも出なかったのでしょう。

 
 つまり、身の丈に合った道具で遊んでいたことになります。

 
 これって、素晴らしいことだったのではないだろうか?

 
 かかとの上あたりにできるあかぎれと靴下に滲む血のこと。

 セーターにくっつく、雪玉のぼんぼりも、ありありと思い出しました。

 
 あかぎれが痛かった記憶は皆さんありませんか。


(1999年12月20日 記)


随想

1件のコメント

  • 今なら、ビニールの米袋に紐をつけた手製のソリや、プラスチック製のソリで滑ります。
    木製のソリとは、スピードも例えれば電車と汽車の違いほども・・・。
    裏の山での尻滑りが忘れられない。これはけっこうスピードがでた。
    道具はいらず、ヤッケとズボンだけでいい。
    山の裏の斜面にクネクネとコースを作り、どこにジャンプする場所を入れようかけっこう考えながら作ったものだった。
    あたりまえだが、スピードを出すためには、より急な斜面でないとおもしろくない。

    だから、沢の斜面にもつくった。するとゴールは、川(といっても小さなチョロチョロ流れる沢水)の近くになる。
    それも楽しかった。
    雪の中の笹を踏み抜き何度も登って、からだじゅう、汗と、溶けてしみこんだ雪でびしょびしょにしながら家に帰った。
    音をたてて燃えるストーブがとてもあつかった。

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