北海道弁••••••デラデラ | 高橋正朝 #80
この時季の、小学生時代の明石町購買会から、服部商店に向かう坂のことを思い浮かべた。
この時季の大夕張は、今よりも雪が多くて寒かったが、それでも、日中は陽がさすと、雪の表面が、ほんのチョッピリだが、湿るようになった。
とはいうものの、夜は零下になり、雪もまだ降る時季だったから、それらの雪は固く締まりやすくなっていった。
そのデラデラとなった雪の上に、さらに雪が降り、そこを歩くのは滑りやすくて難儀だった。
この、デラデラは、ネットで検索してみると、元々は、津軽地方で使われていたようである。 名古屋弁てしてもでていたが、これは、同音異義だ。
ツララが、テラテラ光っている、とうよりも、デラデラ光っている、という表現のほうが、より強調されて、我々の生活に密着していた。
さて、最初に述べた場所については、かなり以前に、大夕張つれづれ #54 で言及している。 一部分を抜粋すると、
竹の先を上に向けて反らせ、ゴム長をはいた足をその竹スケートのせて滑るヤツ・・・・・・。
雪面が固くないと用はなさないので、その竹スケートで遊ぶのは、日中は雪面がちょっと溶け、夜はもちろん零度以下、という時期によく遊んだ。私が小学校低学年のころは、3月の初旬まで遊べたような気がするが・・・・・・。
明石町の子供たちが、竹スケートで遊んだ場所は、購買会からちょっと明石橋寄りの所から、服部商店の脇を通って、明石町の集会場ぐらいまでの坂道でした。
このときの文章を書いたとき、デラデラという言葉が思い浮かばなかった。
今回、今の時季の上記の場所で、竹スケートで遊んだことを思いだしているうちに、このデラデラという言葉が頭の隅からでてきた。
この言葉は、我々の年代はともかく、今でも、北海道では使われているのだろうか?
この言葉をネットで検索したら、色んな用例がでてきた。 そのなかで、小林多喜二の小説、〘 蟹工船 〙の中で使用されている文例があった。
(2022年2月26日 記)
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。
服部商店のあたりのことについては、おなじく高橋さんの
に詳しい。
さて、
デラデラというコトバ。
子どもの時も、「今朝は、道路がテッカテカでツルツルすべるから気をつけな」という言い方をしていたような気がした。
大人になるとあんまり、「テッカテカでツルツル」いうことばをあまり使わなくなったけど。
デラデラという状況もそんな様子なのだろう。
最初に答え合わせをするようで申し訳ないが、「青空文庫」から小林多喜二の『蟹工船』から「デラデラ」を引用すると、次の様に出ていた。
≫≫
オホツック海へ出ると、海の色がハッキリもっと灰色がかって来た。
(中略)
波が一波甲板を洗って行った後は、すぐ凍えて、デラデラに滑すべった。
皆はデッキからデッキへロープを張り、それに各自がおしめのようにブラ下り、作業をしなければならなかった
≫≫
「デラデラに滑った」
「テッカテカでつるっつるに滑った」
微妙にニュアンスが違う気もする・・・。