コクワ|高橋正朝 #112
例によって、飯田さんが編集した写真をコピペ。
上の写真は、私が、『続・大夕張つれづれ # 45 〘 明石の沢からの水汲み 〙』を投稿した際、飯田さんが、その投稿に添付してくれた写真をコピペしたものです。
この写真の3時の位置に、何やら腐ちた木のようなものと、枯れたような蔓のようなものが見える。
この付近に、コクワの実ができる木があった。
コクワの実、と書いたが、ネットでチェックしたら、コクワは、サルナシの実をコクワと称するとでている。
子ども時代のことを思い出してみると、たしかに、コクワと言っていて、コクワの実とは言ってなかった。
また、コクワが生る木を、サルナシというのを、今回初めて知った。
コクワが生っている木を、そこで見つけたのは、鹿島東小学校3年生の、10月になってからである。
何やら、蔓が木に絡まっているのは以前から知っていたが、その蔓状の木にコクワが生えるまで知らなかった。
コクワそのものは、遊び仲間に見せられていたので知っていたが、実の生る木の形状はまったく知らなかった。
サルナシの蔓が絡まっていた木は、太さが十数センチくらいだったが佇立しておらず、低い崖から少し湾曲して沢のほうに突きでていた。
その木では、たま〜にだが、クワガタを見つけることがあった。
コクワが生っていた木は、私の記憶では蔓性だったが、念のため、ネットで〘 コクワ 〙で検索したら、木はサルナシと言い、その写真もでていた。
明石の沢の写真の3時の位置に見える蔓は、山ブドウの蔓にしては太すぎる。 実は、私が子ども時代に見たり触ったりしたサルナシで、それが絡んでいた木が、朽ちた木かな?と思わないでもないが ••••••。
周りの木々がまだ緑の葉をつけているのに、サルナシの木の葉は、群を抜いて紅葉が早かった。
サルナシの木があった付近には、山ウルシの木も生えていた。
なるべく触らないように気をつけていたが、それでも何回かかぶれたことがある。
痒いんだよねぇ〜あれは ••••••。
手の皮膚から血が滲み出るくらいカッチャクのだが、痒みはなかなか止まない。 それでも、大抵の場合は、寝るくらいまでには痒みは止まる。
ウルシに敏感な人は、漆器のウルシにも反応するらしいが、つらいだろうなぁ ••••••。
採った10個ぐらいのコクワをズボンのポケットに入れ、家に持ち帰り、米びつの米の中に潜り込ませた。
こうすると、コクワが熟すのだ。 このことは、私にコクワを見せてくれた遊び仲間に教わったのだが、それが誰だったか、今となってはまったく思い出せない。
3日ぐらいしてから齧ってみたが、酸っぱくてえぐ味がある。
不味いのだが、それでも飲み込んだ。 口に入れて齧ったものは、飲み込んでしまうのが私の習性である。
今でも、ガムや魚の小骨は飲み込んでしまう。
魚の小骨を喉にひっかけたのは、私の人生では、百回は超えてるだろう。
スイカ、柿、ブドウ、ミカンの種なども飲み込んでしまう。 さすがにウメボシの種は飲み込まないが ••••••。
コクワに話を戻す。 その翌日に齧ってみると、酸味とえぐ味に加え、チョッピリ甘味があった。
次の日は、甘味が少し強くなった。
さらに、2日おいて齧ってみたら、酸味に混じって結構甘くなっていた。
これなら全部食べてしまおうとしたが、それが最後の粒だったようで、米の中をかき回してみたが、1つも見つからなかった。
ネットには、コクワを熟させるには、リンゴと一緒にビニール袋に入れておくと、エチレンガスの効果で、甘くなることが書かれている。
コクワを、米の中に潜り込ませて追熟する方法というのは、本当のことなのだろうかとチェックしてみたが、現時点では、そのことをネットで見つけることができないでいる。
(2022年10月1日 記)
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。
歌志内市に12歳まで住んておりました。コクワを米びつの中で熟成させていたのを覚えております。コクワが成る木がサルナシというのは最近知りました。コクワという果実がとても懐かしくコメントさせていただきました。
コクワを、米びつの中に入れて熟成させるというような話は、Kawauchiさんの『大夕張春夏秋冬』の中にもでてきた。
そこでも友だちから聞いた話ととして失敗談とともに紹介されている。
子どもの世界にまでひろがっているというのは、大夕張では一般的な方法だったのだろう。
自分についていえば、コクワは耳にしたことはよくあった。
甘くておいしいらしい。
しかしとって手にした記憶がない。
熊も好む食べ物で、山の奥に入らないととれないと、だから身近に小桑の木はないものだと思い込んでいた。
たぶん、目にしていたのもしれないが、山ブドウや。野いちごを覚えていてもコクワの実は覚えていなかった。
今では、近くの家の庭に木が植えてあり、この時期、コクワを眺めながら散歩をすることができる。