消えた、大夕張|浅野岳男
2022-12-02
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平成15年(2003年)10月7日。
昭和26年卒、鹿島中学校同期会が札幌グランドホテルで開催された。
午前中、希望者にバスツアーが計画され、夕鉄バスで、湖底に沈むと言われる「ふるさと大夕張」へ、行って来た。
南大夕張を過ぎると、シューパロ湖が眼下に広がり、その向こうに夕張岳が姿を現してきた。
久しぶりの感動である。
それぞれの仲間に、それぞれの思い出が脳裏の片隅を駆けめぐった瞬間でもあった。
夕張岳を遠くにバスは行く。
昔第一農場と言われた湖畔亭付近。
明石町は第二農場と言われた風景に戻っていたようである。
千歳町跡らしき道をバスは行く。
左右の景色草木で一杯であった。
尚も、緩やかな岳富町通りを上り、鹿島小学校入り口の標識が目に入る。
そこを左折してバスは小学校グランドに到着した。
周りの山は、紅葉の木々が生い茂っていた。
グランド三塁側の正門近くに思い出の木が残っていた。
そして記念碑・・・。
シカの足跡らしきものがあり、大夕張は太古の森へと消えていった様である。
湖底に沈む大夕張、廃虚の炭住を見るより、自然に帰った大夕張の景色が、せめてもの慰めであったのかも・・・。
(2003年10月16日 記)