消えた、大夕張|浅野岳男

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平成15年(2003年)10月7日。

昭和26年卒、鹿島中学校同期会が札幌グランドホテルで開催された。

午前中、希望者にバスツアーが計画され、夕鉄バスで、湖底に沈むと言われる「ふるさと大夕張」へ、行って来た。

 
南大夕張を過ぎると、シューパロ湖が眼下に広がり、その向こうに夕張岳が姿を現してきた。

 
久しぶりの感動である。

それぞれの仲間に、それぞれの思い出が脳裏の片隅を駆けめぐった瞬間でもあった。

 
夕張岳を遠くにバスは行く。

昔第一農場と言われた湖畔亭付近。

明石町は第二農場と言われた風景に戻っていたようである。

 

 
千歳町跡らしき道をバスは行く。

左右の景色草木で一杯であった。

 
尚も、緩やかな岳富町通りを上り、鹿島小学校入り口の標識が目に入る。

 
そこを左折してバスは小学校グランドに到着した。

 
周りの山は、紅葉の木々が生い茂っていた。

グランド三塁側の正門近くに思い出の木が残っていた。

そして記念碑・・・。

 
シカの足跡らしきものがあり、大夕張は太古の森へと消えていった様である。

 
湖底に沈む大夕張、廃虚の炭住を見るより、自然に帰った大夕張の景色が、せめてもの慰めであったのかも・・・。

 

(2003年10月16日 記)

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