北海道弁••••••はっちゃきこく、はっちゃきになる | 高橋正朝 #128
この北海道弁〘 はっちゃきこく 〙も、前回の〘 だはんこく 〙と同様、北海道内ですら死語になっているのではないだろうか •••••。
私が名前すら知らなかった江別市出身のタレントの大泉洋は、北海道弁を駆使し、それをウリにしてバラエティー番組などに出演しているらしいが、彼だったら、何かの折に、上記の北海道弁を言っているかもしれない。
この〘 はっちゃきこく 〙という言葉は、私の大夕張の子ども時代には普通に使われていた。 ネットでチェックしてみたら、〘 今は滅多に使われません。博物館入りの言葉です 〙と書かれた記事があった。
現在では、我々老人だけが知っている言葉で、北海道であっても、若年層には、『 それ何? 』と問返されるかもしれない。
この〘 はっちゃきこく 〙は、皆さんご存知のとおり、〘 夢中になる、熱心になる、一生懸命になる 〙とかの、ポジティブな意味合いだが、我々の子ども時代には、この言葉を使うときは、ネガティブな意味が含まれていた。 ネガティブというか、侮蔑的要素があった。
何かのゲームを数回し、夕方、夕食のために各々が帰宅するため、その回で、今日のゲームはオシマイにしようと全員が同意したにもかかわらず、負けた人間が、『 もう一度やろう、もう一回やろう 』としつこく言ったときに、『 何はっちゃきこいてんの? 』と遊び仲間が言ったときの言葉には、明らかに侮蔑の感情が入っている。
こういうしつこく言うのは男児で、女児にはなかっただろうと思う。
熱心に、という意味では、何か大事なものを紛失した際には、『 はっちゃきになって探している 』とか、『 はっちゃきこいて探している 』というふうに使っていた。
いずれにしても、私や周囲の遊び仲間では、ネガティブな状況のときに使っていた言葉だった。
(2023年1圧21日 記)
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。
「はっちゃきこく」頑張るよりも、より一層努力すると認識してたのだが。人からは一度も言われた事はなかったが侮蔑的な感情とは今でも腑に落ちない。振り返って反省しなければならない事は沢山あるが。
「ひたむきに、汗水流してがんばる」みたいな意味合いで、「はっちゃきこいていた」自分をふりかえる・・・みたいな使い方をすると心境がわかるような言葉だ。
確かに「はっちゃきこいてる自分」を考えるとそうだが、少し引いて、傍から見るとその姿は、茶化したくなる、滑稽に見えることもあるだろう。
「なあに、はっちゃきこいてんのよ」
という戒めは、熱心さのあまり周囲が見えなくなる前の、ブレーキの役割をはたしていたのかもしれない。
ところで「はっちゃき◯◯」という漫画があった覚えがあり、調べてみるとやはりあった。
石川サブロウさんが書いた「はっちゃき先生」(1984年)という漫画。
書いた人はもちろん北海道(札幌)出身の人だった。
1987年には、映画「はっちゃき先生の東京ゲーム」で当時ファミコン世代人気の『高橋名人』が主演を務めている。