北海道弁••••••補足•••はっちゃきこく、はっちゃきになる | 高橋正朝 #129

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 この北海道弁〘 はっちゃきこく 〙は、前回、続・大夕張つれづれ # 128 で投稿しましたが、『 侮蔑的感情 』という表現に対し、腑に落ちないという人がいましたので、補足します。

    

 北海道弁〘 はっちゃきこく 〙は、ネットで検索すると、一所懸命、夢中になって、頑張って、とかいうようなポジティブな意味合いで説明しているのが殆どである。

    

 しかし、ネガティブな意味合いで使われることもあり、ネットで、〘 yahoo 知恵袋、はっちゃきこく 〙で検索すると、それについての記事が出てきます。

    

 〘 はっちゃきこく 〙の意味についての質問に、複数の人が回答しています。

    

 ただし、こういう記事の回答者が、常に正しい回答をしているかどうかは分からないから、読む者が自分で判断することになる。

    

 ベストアンサーというのがあり、今回のケースでは、先に回答した記事を補完している記述なので、それは省略。

 

 続いて、その他の回答( 3件 )があり、そのうちの1つが、以下の★★★ 内の記述です。

    

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 一所懸命に頑張る、張り切るということですが、通常は、揶揄を込めた言い回しで使われます。

  ○「なに、はっちゃきこいてんの」            

×  「はっちゃきこいて、えらいね」 

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 回答者の文章のアタマにつけている○印と✕の意味は、説明されていないので不明です。   

 私の勝手な推測では、○印に続く「」内の文章は、揶揄的表現てしては普通、つまり、妥当な表現という意味のようだ。

    

 ✕に続く「」内の文章は、『がんばってエライね』という意味にもとれ、揶揄的表現としては不適当だという意味だろうか ••••••。

      

 というふうに、私は勝手に考えました。

 理由としては、○の文も✕印の文も、〘 •••揶揄を込めた言い回し••• 〙に縛られるからです。

    

 いずれにしても、この回答者は、〘 はっちゃきこく 〙は、

『 ••••••通常は、揶揄を込めた言い回しで使われる 』

と表現しています。

    

 私の投稿文の表現で、『 侮蔑的感情 』が腑に落ちないと感想した箇所を、ここにコピーします。

    

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 この〘 はっちゃきこく 〙は、皆さんご存知のとおり、〘 夢中になる、熱心になる、一生懸命になる 〙とかの、ポジティブな意味合いだが、我々の子ども時代には、この言葉を使うときは、ネガティブな意味が含まれていた。 ネガティブというか、侮蔑的要素があった。

   

 何かのゲームを数回し、夕方、夕食のために各々が帰宅するため、その回で、今日のゲームはオシマイにしようと全員が同意したにもかかわらず、負けた人間が、『 もう一度やろう、もう一回やろう 』としつこく言ったときに、『 何はっちゃきこいてんの? 』と遊び仲間が言ったときの言葉には、明らかに侮蔑の感情が入っている。 こういうしつこく言うのは男児で、女児にはなかっただろうと思う。

    

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 私は、投稿文を読む人にインパクトを与えるため、『 侮蔑的感情 』と表現しましたが、Yahoo!知恵袋の回答者は、『 揶揄 』という熟語を使っています。 この言葉は、印象としては柔らかい。

  

 熟語の差異があるので、意味はもちろん違うものの、しかし、北海道弁『 はっちゃきこく 』を、ネガティブに使用していることは両方ともハッキリしている。

 ここでは、けっしてポジティブな意味合いで使用していない。

     

 私の投稿文では、

 

【 この〘 はっちゃきこく 〙は、皆さんご存知のとおり、〘 夢中になる、熱心になる、一生懸命になる 〙とかの、ポジティブな意味合いだが、】

 

と表現している。

 つまり、〘 はっちゃきこく 〙だけの短文の表現の意味をキチンと説明している。 しかし、それだけではないヨという意味で、続けて、

 

【〘 我々の子ども時代には、この言葉を使うときは、ネガティブな意味が含まれていた。 ネガティブというか、侮蔑的要素があった。】   

と書いている。

 

 用例とは書かなかったが、さらに、遊び仲間とのゲームで、

   

【 今日のゲームはオシマイにしようと全員が同意したにもかかわらず、負けた人間が、『 もう一度やろう、もう一回やろう 』としつこく言ったときに、『 何はっちゃきこいてんの? 』と遊び仲間が言ったときの言葉には、明らかに侮蔑の感情が入っている。】

    

 負けん気はいいのだが、上記の用例は、ある遊び仲間の身勝手なしつこさに辟易した状況を述べている。 しつこい遊び仲間を蔑んだわけだ。

    

 繰り返し書くが、〘 はっちゃきこく 〙は、ネットで検索すると、一所懸命、夢中になって、頑張って、とかいうようなポジティブな意味合いで説明しているのが殆どである。

    

 しかし、日常では、ポジティブな表現で会話が修了することはあまりなく、ネガティブな状況のときに使われることのほうが多かったというか、普通だった。

    

 この私の意見を担保するものとして、上記の Yahoo!知恵袋と、下記の hokkaidolakers com がそれである。

     

 ネットで、〘 hokkaidolikers com はっちゃきこく 〙で検索すると出てきます。

 その抜粋は、以下のとおり。

    

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 主に “ 夢中・一心不乱( になっている ) ” “ 躍起になる ” “ 張り切る ” という意味をもつ北海道弁です。

 張り切っている人に、「 張り切っちゃって•••••• 」と揶揄的な表現をするときによく使われます。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 

 繰り返すが、北海道弁〘 はっちゃきこく 〙をネットで検索すると、肯定的な、ポジティブな意味合いの説明がほとんどである。

 

 辞書には、単語の意味だけを説明するのもあれば、用例や例文を引用するケースもある。

 ネットで見つけた上記の2つは、用例を載せているので理解しやすい。

 ネットの検索で見つけた記事ではネガティブな意味合いの説明は少なく、それどころかネガティブな説明が全然ない場合が普通である。

 それで混乱が生じる。

    

 ネットにあった用例に、こういうのがあった。

    

『 はっちゃきこいで勉強しないと、試験落ちるぞ 』

    

 正しい方言の使い方だが、我々の子ども時代にはこの表現は使ってなかった。

    

では、どういう会話だったかというと、

 

『 一所懸命勉強しないと、試験落ちるぞ 』

 

の表現が普通だったように思う。

    

 しつこいが、Yahoo!知恵袋の回答者の文が、辞書的に単純明快にネガティブな使い方を示している。

    

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★  

一所懸命に頑張る、張り切るということですが、

通常は、揶揄を込めた言い回しで使われます。

○「なに、はっちゃきこいてんの」

×  「はっちゃきこいて、えらいね」  

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ 

   

 北海道の方言でも、続・大夕張つれづれ # 110〘 目いずくて、ちょしてたら、めっぱになった 〙で、ロート製薬の記事を引用したが、その記事の内容は、数字を出し、読む者に説得力を与えた。

 〘 はっちゃきこく 〙の説明については、ネガティブな使い方については、〘 通常は、とか、よく使われるとか 〙表現されているだけで、それらの言葉は主観的要素が強い。

  

〘 はっちゃきこく 〙の記事の量としては、ポジティブな説明だけで終始しているのが圧倒的だが。

 私の投稿でも書いたが、我々の年代では、『 何はっちゃきこいてんの? 』には、侮蔑的な感情が入っていたのは確かである。

 ポジティブな意味合いだけで使用されていた言葉ではなかった。

 むしろ、Yahoo!知恵袋、及び、hokkaidolikers com の用例にあるように、ネガティブな意味合いで使用していたのが普通だった。 

   

 飯田さんが、

 

『 なぁに、はっちゃきこいてんのよ 』と用例を出していましたが、文は違っても、Yahoo!知恵袋の回答者の用例と同じだ。 

  

 蛇足だが、私は、今回の投稿で、〘 全然  〙という副詞を一回使用しているが、この〘 全然 〙に続く述部は、私は意識して否定的な、ネガティブな表現をするようにしている。

 しかし、一般的には肯定的表現にも使われるので、この言葉を使った表現を本で見かけたとき、意味を汲み取るのに、時には混乱することがある。

    

 この〘 全然 〙の使い方などについては、旧文部省も、結構苦労したようである。

 〘 全然 〙は、ウイキペディアに見出しがあるので、ヒマな人はご覧ください。

 

(2023年1月28日 記)

    


 

 (筆者略歴)

 昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。


 

    

  

1件のコメント

  • なんとなく「かっこつける」という言葉を思い出した。
    (懐古的なのは・・もうこの言葉とはすっかり縁遠くなった)
    若い時、かっこよくなりたくて、髪や服装に気を遣い、小さなことが気になったが、大人になるにつれて、かっこつけることは、上辺を取り繕う戒めの言葉となった。
    『もっと内面を磨きなさい』という。
    言葉には時代と、その中で成長する人間の環境で微妙にニュアンスが変化することもあるのだろう。
     
    「全然」という言葉でいえば、自分も肯定的に使うことはなかった。
     
    子どもは転んだりしたとき、周りに「けがしななかった」と聞かれて「全然ダイジョウブ」「全然へいき」と答えることがある。

    「全然(けがしていないよ)、(だから)だいじょうぶ」

    の省略だろうと思う。
     
     
    自分も、「今忙しい?」と人に聞かれて、
    「全然!」
    と答えることはしょっちゅうあったから・・・。
     
    聞いた人は、私が「ヒマ」「忙しい」どちらに受け取っただろう。

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