夕陽を浴びる山

62009

 

若い頃、自動車を自分で運転するようになってから、年に数回生まれ故郷である大夕張に向かった。

  

そこに行ってみると、ある瞬間、ふっと暮らした当時の感覚が、目に映る景色や肌に感じる空気に蘇ることがある。

  

このオレンジ色に染まる夕張岳を見た時もそんな感覚を伴った。

  

2001年10月7日 撮影

空気の状態や気象条件で奇跡のような美しい夕焼けが見られることがあるという。その時間帯のことをマジックアワーとよぶそうだ。

 

夕陽に染まる夕張岳。

西側の空に陽が落ちる前の、短いある時間帯に見ることができたような気がする。

 

 

大人達・・・とくに、炭砿の人たちは、交代で昼夜問わず働いていたが、子どもだった自分にとっては、学校から帰ったあとの、外遊びに夢中になっていた中で、一日の終わりを知り、深い闇の夜がやってくる前のご褒美のような姿、時間でもあった。

 

  

場所は炭山駅のそば近く、富士見町側から。

 

夏の赤く染まる夕張岳『赤夕張嶽』とよび、その姿を見てみたいと、以前の投稿で書いたけれど、それにしては、穏やかでどことなく儚げな姿だ。 

 

これは、写真を見ての『現在(いま)』感じることである。

 

(2023年10月14日 記)

 

 

 

 

 

 


備忘録

 

1件のコメント

  • 札幌にある第一合同庁舎の上階の通路の窓から、東方遠くピンク色に染まる夕張岳が見えたことがあった。
    神々しいほどの姿で、思いがけず「とうさん・・」という言葉が口をついて出た。季節は冬だったと思う。
    その通路は何度も往来していながらその光景を見たのはそのときが初めてだった。20年ほど前のことだ。
    最近、合同庁舎の傍を通ると隣の高層ビルが完成間近。夕張岳ももう見えていないことだろう・・
    夕張山麓での過酷な生活も、職場から見えていた神々しい夕張岳も、こうしてみんな思い出の世界に入っていく。

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