マンガ雑誌〘 少女 〙に連載していた〘 今村洋子 〙の〘 チャコちゃんの日記 〙にでてきた挨拶〘 ハイ 〙|高橋正朝 #174
明石町番外地に住んでいた我が家のとなり、板倉さんチの〘 チーちゃん 〙から、妹が借りた光文社のマンガ雑誌〘 少女 〙に、〘 今村洋子 〙が描いたマンガがあった。 題名は〘 チャコちゃんの日記 〙。
毎回だったかどうかまでは記憶がハッキリしないが、2色刷りで、半ページの大きさで、十数ページあった。
このマンガでは、〘 チャコちゃん 〙が登場するコマでは、〘 ハイ 〙と言ってでてくる。
この〘 ハイ 〙は、鹿島東小学校の5年生だった私には、意味が全然わからなかった。 それどころか、20歳ぐらいまで正確には知らなかったと思う。
〘 ハイ 〙は、誰かに呼ばれたときの返答だと思っていた私は、〘 チャコちゃん 〙が、〘 ハイ 〙と言って登場する場面には不思議な感じがした。
しかし、雑誌の号がかわっても、〘 チャコちゃん 〙が登場するコマは、相変わらず〘 ハイ 〙である。 それで、感の鈍い私でも、〘 ハイ 〙は、挨拶のかけ声かな?と思うようになった。
これは、多分、英語からだろうと思った。 この〘 ハイ 〙のかけ声をマンガのなかで使っていたのは、当時としては、〘 今村洋子 〙だけだった。 ずいぶんモダンな感覚だ。
〘 ハイ 〙と〘 ヘイ 〙は90パーセントぐらい同義であるが、〘 ハイ 〙は〘 ハロー 〙の意味合いが強いが、〘 ヘイ 〙語りかける前置きの意味合いもある。 その上、かけ声をかける相手に応じて使い分けがある。
続・大夕張つれづれ #166 〘 ホームドラマ・パパ大好き 〙で言及した、年ごろの少女2人が、それぞれフレッド・マクマレイ扮する父親に一目惚れするドラマでは、かけ声をかける相手によって〘 ハイ 〙と〘 ヘイ 〙の使い分けがなされている。
そのドラマの冒頭で、長男マイクが帰宅するところを見つけた末っ子が、次男や祖父に話しかけるときは、〘 ヘイ 〙だが、帰宅した長男マイクが父親に対するかけ声は〘 ハイ 〙だった。
アメリカ映画でも、青春モノは、〘 ハイ 〙や〘 ヘイ 〙はしょっちゅう出てくるかけ声だが、私の好物は、吸血鬼やゾンビ映画だから、それらの映画では、〘 パパ大好き 〙のような場面はほとんどない。
親密でない年上や目上の人に、〘 ヘイ 〙と、かけ声するのは、かなり不作法なようである。
今村洋子は、ウィキペディアでみると、東京生まれで東京育ちである。
〘 チャコちゃんの日記 〙が描かれたころは、GI が東京には大勢いただろう。
手塚治虫のマンガにも、背景には、たま〜に英語の看板が描かれたりしていたから、結構、英語が溢れていた時代だったのかもしれない。
しかし、そうは言っても、普通の日常生活で、日本人が、日本人に対しての挨拶のかけ声として〘 ハイ 〙を使っていたとは思われないが ••••••。
父親も弟もマンガ家で、これは、当時のマンガ雑誌にも書かれていた。
父親の〘 今村つとむ 〙のマンガは読んだことはない。 弟の〘 今村ゆたか 〙のマンガは、光文社のマンガ雑誌〘 少年 〙に載っていたのを覚えでいる。
明るい時代劇マンガで、裏長屋に住む竹光をさした浪人がでていたが、その浪人が主人公だったかどうかまでは覚えていない。 題名は記憶していないが、絵柄は、〘 今村洋子 〙とほとんど同じだったのが印象的だった。
(2023年12月9日 記)
(筆者略歴)
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。
メール宛先:taka-jp@outlook.com (メール宛先変更になりました)
当時をふりかえると、ある時期は、貸本屋で漫画本を借りたりして読んでいた。
だけど、その貸本屋がどこにあったのか、いつ頃から行かなくなったのかという記憶はあいまいで模糊としている。
鹿島中学への通学途中、千年町にも貸本屋があったような記憶はあるのだが・・・。
その後、友だちとお互いに貸し借りをしながら読むことが増えた。
中には、押入れ一杯に漫画雑誌が詰まっている家もあり、そこには必然的に漫画を読むために仲間が集まったりもしていた。
そこは女の子の家だったが、少年漫画がほとんどで、少女漫画を見ることはなかった。
少女漫画を読んでいる女の子は自分の周りには印象になく少女漫画は遠い世界だった。