カバヤから郵送されてきた小説〘  黒いチューリップ  〙| 高橋正朝 #181

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 私が鹿島東小学校の生徒だったころ、菓子業界大手の明治キャラメルや森永ミルクキャラメルなどはよく売れていた。

 古谷製菓のキャラメルもよく売れていた。

 グリコのキャラメルは、オマケ付きキャラメルで子どもたちの興味を引いていた。

 私などは、キャラメルそのものより、キャラメルの箱の上部に付属していたオマケの小さなオモチャもどきのほうに興味があったくらいである。

    

 そういうキャラメル群のなかにあって、カバヤのキャラメルは結構健闘していた。

    

 当時、菓子業界、特にガムメーカーが、包装のなかにカードを入れておき、買った者が一揃いそのカードを揃えてメーカーに郵送すると、なにがしかの景品がメーカーから贈られてくるシステムがあった。

    

 例えば、キングトリスガムが、カタカナの一文字を印刷したカードをガムの包装内に入れておくのだ。

 この一揃いの名称が、キングトリスだけだったか、キングトリスガムだったかまでは覚えていない。

    

 この一揃いの名称になるよう、少年たちは余計な出費をするわけだ。

 それらカタカナ群のなかにあって、どうしても一文字が見つからない。

 明石町の遊び仲間で情報交換すると、どうも、メーカーは、その一文字をわざと欠落させているのではないか?という結論になった。 

   

 それで、キングトリスガムのカードを一揃い揃える無駄な努力は、夏場の半年ぐらいで終わってしまった。

 こういう無駄な努力は、私の周りにいた当時の少女は目もくれなかったようだ。

    

 そういうなかにあって、私は、カバヤの何かを一揃い揃え、カバヤ文庫1冊を郵送してもらうことになった。

 その一揃いのものは、キャラメルの箱に入っていたモノだったか他の商品だったか、まったく覚えていない。 私が、見学旅行から家に戻ってきたら、小説が郵送されていた。

   

 私が、カバヤ文庫のリストから指定した小説は、〘 黒いチューリップ 〙ではなく、他の小説だったが、その小説のタイトルは覚えていない。

    

 間違いが発生したのだろうと思い、マ、無料でもあったし、郵送された〘 黒いチューリップ 〙を早速腹ばいになって読んだ。

    

 まったくつまらなかった。   

 子ども向けに脚色した本であるから、今、もし、ちゃんとした翻訳本を読んたら、別な感想をもつかもしれないが •••••。 

  

 

(2024年1月27日 記)

 


(筆者略歴)   

 昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。

メール宛先:taka-jp@outlook.com  (メール宛先変更になりました)

  


   

   

1件のコメント

  • 『黒いチューリップ』と聞いて真っ先に思ったのは、アランドロン主演の映画だった。
     
    カバヤのおまけについていた本と同じかどうかはわからないが、元になった話は、大デュマ原作のフランスの小説だ。
     
    アレクサンドル・デュマ・ペール(大デュマ)の小説は、『三銃士』や『モンテクリスト伯(厳窟王)』などが有名だ。
     
    当時、子ども向けの雑誌には、創作、名作・新作など小説や漫画が附録本としてついてきた。
     
     
    当時発行されていた『中◯コース』や『中◯時代』といった学習雑誌にも附録本としてついてきたことがあったように思う。
     
     
    海外の名作は、子ども向けにやさしく翻訳され、どんな附録本がついてくるのか、それが楽しみでもあった。
     
     
    映画『黒いチューリップ』は、『太陽がいっぱい』で知ったアランドロンが出ているということで、期待してみたが、当時中学生だった自分の印象にはあまり残らず、内容も覚えていない。
     
    昭和45年頃、TVでは、『◯◯ロードショー』みたいな番組が金曜日?にあり、それで見たと思われる。
     
    アランドロンが主演した『太陽がいっぱい』は、当時の白黒TVで見た。中学生の自分にとって、ラストのシーンはさすがに衝撃的だった。
     
    『黒いチューリップ』は、その後見たことはない。
     
    『太陽がいっぱい』は、TVがカラーになり、初めてカラーで鑑賞した。
    札幌駅ビルの劇場で『世界の名作劇場』みたいな催しが会ったときにも、足を運んだ。今でもDVDが棚にあり、ときどきタイトルを眺めたりする。
     
    こちらは長いつき合いになった。

     

     

     

     

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