大夕張の桜 |高橋正朝 #196
私の子ども時代、大夕張の今ごろの季節になると、桜の花が咲き始める。
私の記憶では、6月にも桜が咲いていたはずで、6月に咲いた桜の写真はないものかと、〘 ふるさと大夕張 〙の写真をチェックしてみたら、高橋歌子 さんの〘 キリ助と桜と水仙と 〙という投稿がありました。
そこの写真〘 欲張りな画像。キリ助と桜と水仙( 2011年6月22日 ) 〙と印字されたものがありました。
数字の年月日は、投稿日か撮影日かはわかりませんが、私は撮影日と解釈しています。
桜の花見の喧騒は、マンガや映画やテレビの画面に出てくるので、内地の人たちにとっては、花見での飲食はごく普通なのだろうと思っていた。
私自身や明石町や番外地の人々が、わざわざ桜の花見に行き、そこで飲食するをということはなかった。
緑が濃い大夕張の山なみのところどころに、本数が少なくとも、たとえ1本でも桜が咲くと目立った。
コブシの花が咲くのは、桜より若干早かったが、桜ほどには目立たなかった。
今はどうか知らないが、大夕張の山なみで見た桜は、文字通りの桜色で、クレヨンやクレパスに表示されていた桜色だった。
後年、東京に出てきてから見た桜は、かなり白っぽかった。 ソメイヨシノである。
花によっては薄いピンク色がかかっているものがあるが、大部分は、クレヨンなどのような桜色ではなかった。
年々、東京の同じ場所で見るソメイヨシノの花の薄いピンク色は、白っぽくなっていった感じだった。
東京では少ないが、ときには見かける、牡丹桜、枝垂れ桜、姥桜などはピンクである。
私は台灣に3年間いたが、台灣で見た桜は、文字通りの桜色だった。 大夕張の山なみで見た桜の色より濃く、遠くから見たときは、梅の花かな?と訝ったくらいだった。
満開のソメイヨシノは、暗い夜に見ると情緒があるが、日中に見ると、白っぽすぎて、私の桜のイメージとは違う。
大夕張で見た桜はピンクで、かつ、クレヨンなどの色の呼称が桜色、それから絵本に描かれる桜はピンクだったので、幼児から、桜の花はピンクという観念になっている。
東京にきてから、大勢の花見客がいるのには驚かされた。
そして、花見客が残すゴミゴミゴミ ••••••。
(2024年5月11日 記)
(筆者略歴)
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。
メール宛先:taka-jp@outlook.com (メール宛先変更になりました)
桜・・・大夕張で実際に見ていた桜の色はすでに記憶にないが、TVで流れる東京あたりの桜と比べて明らかに色が違った。だからよく言われる『ソメイヨシノ』という種類の木と大夕張の桜は違うな、ということはうすうす気がついていた。
働いている時は、桜のことなどほとんど気に留めなかったが、退職して毎日外を出歩いていると、札幌の桜は白っぽいソメイヨシノと、ピンクのエゾヤマザクラが咲いていることがわかった。
あっという間に花を散らせてしまうソメイヨシノに比べて、エゾヤマザクラは、咲いている時期も長めである。
今年の暑い春の日差しの中でソメイヨシノは例年にもまして白っぽく儚げのように目に映った。
自分としては、色もはっきりとしたピンク色のエゾヤマザクラの方が好もしい。
やっぱり桜はピンク・・・。
あの大夕張の神社でイメージした桜の色のように・・・・。