蝉の声

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 季節は夏。夏といえば、蝉の声。そして来る8月になると笛や太鼓が街に響きます。今年は残念ながら事情が違いますが・・・。

 大夕張にいた頃、山に囲まれていたせいもあり、家の外の音はよく聞こえました。鳥・蝉・虫・風の音、風に揺れる草木の葉擦れの音、沢の流れる水音、いろいろな環境音がありました。それらは自然の豊かな大夕張の生活のBGMとして過ごしてきました。

 夜、布団に入って家の中が寝静まると、昼は意識することのなかった音が実によく聞こえてくるのでした。夜の虫たちの合唱に安らぎや癒やしを、時には、静寂への不安、風雨や雷光などに自然への恐れや畏怖の感情を抱きながら、季節の移ろいを感じ、育ってきました。

 今は、自分の住環境では、外の音があまり聞こえません。家の外に出て、山の方から遠く聞こえてくる蝉の鳴き声に耳をすます程度です。

 都会の現代の住宅に住んでいると、時折、自然の音が懐かしくなります。

 先日、手稲山のロープウエイ乗り場付近にぶらっといってきました。2008年を最後に運行されていないロープウエイ乗り場付近は訪れる人もなく、平日ということもあり、誰もいません。天気も良く、爽やかな空気の中で、6月の鳥と蝉の鳴き声を楽しんで来ました。

6月の手稲山(天気は晴れ)

 5月16日以来、毎日配信している高橋正朝さんの『大夕張つれづれ』ですが、あと23回となります。このまま行くと、24日が連載の最終日となります。「住民登録」の中にあった高橋さんの投稿のすべてが『2丁目3番地』の方で読むことができるようになります。


備忘録

1件のコメント

  • 「夜の音」で思い出すのは、弥生町の長屋、8舎に住んでいた昔の出来事。
    父の帰りを待ちながら、並んで寝てくれている母が「あっ、来た!」と言う。
    「聞こえるの?」、「分かるの、今、(1舎を)曲がった。」と言う。
    子供の耳に足音が聞こえるようになるのは、父がほとんど玄関先に着いたときで、
    ほとんど同時に玄関の戸が開いて、父の「ただいま」の声がするのだった。
    そんなことが何度かあって、あるとき母に聞いてみた。
    「足音が聞こえるの?」、「聞こえないけど分かるの」。
    「なんで父さんだとわかるの?」、「何となく分かるの」。

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