大夕張つれづれ■私と辞書■|高橋正朝 #57
辞書、ということで、三十数年前に読んだ英語のテキストのことを思い出した。
著者はどこかの大学の英語の男性教授であるが、名前やどこの大学であるかはまったく覚えていない。出版社についても覚えていない。著者曰く、英語は合理的だが日本語は不合理だとして、次のようなことを書いていた。
日本語の「湯」は、英語では「Hot」と「Water」を組み合わせて「Hot water」で表す。冷たい水であれば「Cold」と「Water」とを組み合わせて「Cold water」と書く。
「Water」「Hot」「Cold」の組み合わせで表現するから、とても合理的だ、 と言うのだ。
日本語のように、水が温かくなったモノを、「湯」という別な語に置き換えたりしない、と言うのである。
これを読んだとき、私は、この男はバッカじゃなかろうか、と思った。この男の頭脳は、日本語の「朝」「昼」「夕」と「ご飯」の言葉を組み合わせた構成語と、英語の「Breakfast」「Lunch」「Dinner( Supper )」の対比を誘発しなかったようだ。
「広辞苑」のような二十数万語の見出し項目がある辞書は、必ず、「水」「温水」「冷水」が記載されている。
五万語ぐらいのハンディな国語辞典では、「冷水」の見出しがないこともある。正確に調べたわけではないが、三十数冊のハンディな国語辞典では、「温水」「冷水」両方の見出しがあるのは、4割ぐらいだろうか・・・・・・。
同じハンディな国語辞書でも、一回り大きい、七万語を超えるぐらいの見出しの項目がある国語辞典では、両方の言葉が載っている。感覚的な数字だが・・・・・・。
国語辞典としてはよく売れた、三省堂の「新明解国語辞典」には、「温水」 も「冷水」も見出しにある。当辞典の見出しの項目は、77,500項目である。
大学教授の肩書であっても、常識なことで、「アホ」「マヌケ」「バカ」と罵りたくなる例を次回に述べる。
名前や出版社などは、実はメモしていたのだが、10年ぐらい前に、埼玉県所沢市に借りていたワンルームの大家に、私の私物をすべて捨てられてしまい、大切な本、資料、写真のネガなどをすべて失ってしまった。
当時働いていた会社の海外部が、お世話になっている弁護士を部長に紹介してもらい、その弁護士に依頼したので、相手側も弁護士を依頼し、弁護士同士の話し合いで金銭処理で決着した。
大家の背信行為を知ったのは、私が上海にいたときであったが、私が日本にいたならば、窃盗として刑事告発もしていたのだが、海外にいたんじゃどうしょうもない。
それでも、この時代なので、弁護士とメールのやり取りができたのは、まぁ、不幸中の幸いだった。
しかし、DVDやビデオはともかく、辞書、専門書、絶版になってしまった本、資料、中近東の写真のネガなどの紛失の痛手は大きい・・・・・・。このようなケースでは、日本の現在の法律では、物品や「思い出」に類するものは二束三文の扱いのようである。
2009/12/30 に書き込んだことですが、鹿島東小学校4~6年と、鹿島中学校1年の同級生だった 石川道子 さんの国語辞典に、「建立」の読み方として 「ケンリツ」があったことで、辞書に対する興味がわき、それ以降、何かを調べるときは1冊だけでは信用せず、数冊チェックするように心がけるようになった。
なお、石川道子さんという同姓同名の人がいますが、その人は鹿島小学校出身で、私の級友だった人とは別人です。
高橋 正朝 ( たかはし まさとも ) 2016/03/24 _ 09:22:12
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住