大夕張つれづれ■豆腐屋のアルバイト■高橋正朝 #60
2020-07-04
2020-08-10
14007
明石町駅を出て左に曲がり、購買会の横のゆるい坂道を通って100メートルぐらい先を左折して線路を横断すると右側が坂道になり、その坂道を上った所に、阿部豆腐店があった。
実際の商号は、阿部商店だったかもしれないが、ハッキリとは覚えていない。その豆腐屋を右手に見ながら、左折して坂を上って行くと東高校にたどり着く。
私が鹿島中学校2年生の春休み、4月の新学期になれば3年生になる、という丁度今頃の時期だった。私の母が、その豆腐屋で、モヤシを袋に入れるパートを短期間していたことがある。
どういう理由か知らないが、3日間か4日間ぐらい、母に代わってそのモヤシの袋入りのアルバイトをしたことがある。
阿部豆腐店には子供が何人かいたが、私に一番近い年齢の子は女の子で、1学年下であった。当時は名前を知っていたが、今では忘れてしまった。
豆腐屋の娘と、明石町のどの辺に住んでいたかは知らないが、その子の同級生の女の子も、モヤシの袋入りのアルバイトをしていた。
私を含めて、3人で3時間ぐらいの軽作業だ。豆腐屋の娘とその同級生の女の子が話しながら作業をしていた。そのうち、豆腐屋の娘がこう言った。
「今度3年になる生徒は頼りないわよネ」
「そうよネ」と同級生の女の子の相づち。
私が、その、今度3年生になる男であることは意識しない言葉であった、と思う・・・・・・?。
それを聞いて、心中、ギャフンとなったが、何も言わずに黙っていた。それは事実だと思うし、その意見にも秘かに同意もした。
高橋 正朝 ( たかはし まさとも )2016/03/30 _ 11:38:20
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住