大夕張つれづれ■不在証明■|高橋正朝 #63
2016年7月24日付の各社の新聞に、ちょっと怖いことが載っていた。テレビでも放送されたようで、その事件の記憶のある人もいることと思います。
記事のあらましは、前日の23日に、富山県高岡市の県道交差点で、乗用車と軽乗用車が、信号無視として交通反則切符をそれぞれ交付されたことです。乗用車の運転手は、青信号だったと抗弁したが、パトカーの2人の警察官は取り合わなかった。
しかし、乗用車の運転者はドライブレコーダーを自分の車に装置していたので、パソコンを高岡署に持ち込み、事実誤認として警察が陳謝した記事でした。
もし、この事件で、ドライブレコーダーの映像なしで裁判になった場合、裁判所は、警察官が2人も証言したのだから、と言って、運転者は有罪でしょうネ・・・・・・。
2人の警察官の証言のほうが、一般市民の証言よりも信が置ける、と言うことになりそう・・・・・。高岡市のこの件は、警察官の犯罪デッチ上げといわれても反論できないだろう。
このようなケースは他にもあるのではないか、と思ったのは私だけではあるまい。これより少し前、2016年7月21日付読売新聞に載っていたことで、2014年1月22日に起きた暴力事件の被疑者2人の起訴を、東京地検立川支部が取り消したということが記事になっていた。
この2人は立川で別な男性2人に暴力を振るって重軽傷を負わせた、というものだった。
暴力を振るった2人の男性はタクシーで逃走した、ということだったが、弁護人が独自にタクシーのドライブレコーダーの映像を確認し、まったく別人だったことが判明した、ということだった。被疑者2人は、当初から否認を続けていたらしい。
他でも、犯人として逮捕された人間が映像で別人である、とわかった事件があるが、それらは割愛。
私が鹿島中学校3年生のころだったと思うが、松下電器・松下電工提供の番組で、「松本清張シリーズ」というのがあった。
私の年代では覚えている人もいるでしょう。その中の1話の1部分だけを記憶している。ストーリーは殺人事件だったか傷害事件だったか覚えていないが、 殺人事件のようだったと思う。
犯人とされた男は、事件が起きた日には妻と一緒にいた、ということだが、 刑事に、ではその証拠があるか? と問われ、警察署で事情聴取されたその妻が、和服姿で帰る道すがら、
「現代では、日常生活のことでも日記のようなものをつけなければいけない時代なのだろうか・・・・・・ 」
と独り言つ場面で、カメラが引いて和服姿の妻と交通量の多い道路をテレビ画面に映し出したシーンである。
このテレビドラマをみたときは、所在なり不在なりを証明できない場合は怖いことになるな・・・・・・と思った。
仕事で、記録したり録音したり、ということは普通にある。しかし、映像記録を撮ることは私は経験あるが、滅多にない。
上記2件の記事は、被疑者にとってラッキーなことに、映像記録があったので、警察権を所持したる警察と検察は陳謝せざるを得なかったのだろう。
大夕張時代に観たテレビドラマの、所在や不在の証明のようなことを必要とすることは現実には発生しないだろう、と思っていた。
しかし、世の中、結構こういうトラブルがあるんですネ・・・・・・。
高橋 正朝 ( たかはし まさとも )2016/08/04 _ 15:19:14
昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住