窓が埋まって よいしょ

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 昭和37年ころ

 大夕張の15年間、生れてから2回引越しした。

 ここは、炭鉱病院の線路を挟んだ向かい側の、富士見町5丁目のあたりだと思う。ここで生れた。

 雪が多く降った。昭和13年、7歳で沼の沢から大夕張に引越してきた母などは、「大夕張ダムができてから雪が多くなった。」と、よくいっていた。

 トタン屋根から落ちた雪で家全体が雪に包まれていた。

 日中でも真っ暗になり、電球を灯した。屋根から落ちた雪が、家の中にガラスを突き破って入ってこないように窓には、木の板が横に何本も打ちつけてあり、耐寒のビニールも貼ってあったりで、家の中がますます暗くなった。

 一冬に何回か家族総出で、雪をはねた。

 窓の外に積もった雪は格好のそり遊びの場となった。

 作業が終わり、家の中に入ると、家の中が明るくなっていて、子どもながらに、なんだかやったことが報われたような気がして嬉しくなった。

 

白黒写真に着色した画像
天気のよい日。窓から、長靴を履いて、外に出た。そして、スコップを手に窓の周囲の雪をはねる。

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