服部商店の横の溜池での消防訓練 | 高橋正朝 #37

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例によって、飯田さんが編集した写真をコピペ。 

  

昭和43年明石町住宅地図


【 大根収穫 】

 以前に書いたことでしたが、津留商店と描かれている場所が、服部商店でした。 

 服部さんが、私が、鹿島中学校1年生になったとき、すでに札幌に引っ越していたような気がするが、明確な記憶ではない。

 

 私が鹿島東小学校4年生の初夏のころ、炭鉱住宅の消防団が、服部商店の横の溜池を利用して、消防訓練をやった。 ただし、消防訓練そのものを見たわけではなかった。

    

 消防訓練をやることは、明石町番外地の大人は知っていたかもしれないが、我々子どもたちは知らなかった。 明石町番外地に住居している大人は、直接、三菱炭鉱に勤務しているわけではなかったが、明石町での催事は、詰所から、必ず、回覧板がまわってきていた。 しかし、当時の小学生は、そういう回覧板に目をとおすことは殆どない。

   

 曜日はまったく覚えていないが、弁当持参の日だった。 しかも、陽気が良かったから、3〜4人で道草を食いながらの帰宅である。 誰と一緒だったかは記憶にない。 明石橋を渡って少し歩くと、山側の住宅地に行く、すなわち、後にできる鹿島高校( 夕張東高校 )への大夕張鉄道の踏切、明石町購買会、明石町駅、明石町番外地、炭鉱住宅、そして、服部商店が見えてきた。

  

 服部商店の周りが、いつもと違って、人が多い。 しかも、その人たちは黒っぽい服と帽子をかぶっている。 黒っぽく見えたのは、消防団員の濃紺の団員服だった。 消防ホースも見えた。 火事があったのかもしれないと思った我々は、走って行った。 火事ではなかった。 消防訓練が終わった後片付けをしている最中だった。

     

 ホースの片側がまだ溜池にあった。 その傍には、エンジンポンプがあった。 エンジンポンプなるものは、そのとき生まれて初めて見たのだが、小学4年生の私が、なぜ、その名称を思い浮かべたのか、今でも不思議に思う。

   

 消防団員がホースなどを片付けるのを見て、初めて、服部商店の横の溜池が、本来の目的は、消防用水のためであること知った。 それまでは、所どころ、土手が崩れないよう杭を打って板で土留めをしていたが、特に目的がない単なる池だと思っていた。

   

 消防設備として、屋外消火栓が、明石町の詰所近くにあったのを覚えている。 しかし、消火栓ができたのは、当然のことながら、給水管が敷かれてからだ。 飯田さんが編集した年表を見ると、

  

 1953年( 昭和28年 )11月に、明石町専用水道が創設される。明石の沢の取水堰より、下流270mに浄水場を設置。

 

 と、ある。   

 

 冬季には、露出している共同用の給水栓が凍結し、誰かが、熱湯をかけて、水が出るようにしていた。 そういうシバレル寒気だったから、屋外消火栓は、冬の火事のときには、即座に使用できないのではないか ? と、思っていた。 そのときは、消火栓に熱湯をかけるのかなぁと、小学生だった私は、そう思っていたのである。

    

 疑問は持ち続けたが、積極的に解答を見つける行動はとらなかった。 これは、私の大きな欠点だ。 

 

 露出している屋外消火栓は、オートドリップ機構があって、露出している消火栓に溜まった水は、自動的に排出するようになっていると知ったのは、後年、消防設備士の免許取得のため、勉強したテキストに載っていたイラストを見てからだった。

   

 消防訓練のことを書いていて、ふっと思ったのだが、明石町駅のホームの近くの山側にあった、写真、【 大根収穫 】に写っている溜池は、明石町に本格的な給水網ができる以前、重要な交通手段である、大夕張鉄道の、明石町駅の防火用水のためだったのではないかと思ったのだが、穿ち過ぎだろうか ••••••。

(2021年5月1日 記)

 


 (筆者略歴)

 昭和23年11月に明石町生まれ。鹿島東小学校から鹿島中学校に進み、夕張工業高校の1年の3学期に札幌に一家で転住。以後、仕事の関係で海外で長く生活。現在は、タイ、バンコクで暮らす。


 

1件のコメント

  • 明石町の服部商店隣にあった溜め池と聞いて、『大夕張の池』のことを思い出してみた。
    _
    自分の生活範囲内では、『沢』『川』は強く記憶にあるが、『池』と読んでいたところは珍しかった。
    近所ではあったが、高い塀で目張りされた『倶楽部の池』
    中学校の行き帰りに目にしていた『常盤町詰所前の池』
    父と魚釣りに言った『里見公園の池』
    すこし離れて『吉野沢公園にあった大きな池』
    _
    あとは・・・出てこない。
    _
    近所や友達の家には、金魚の泳ぐ四角いブロックの小さな池?はよくあった。
    のちに本州に旅行に行った時、大きな『溜め池』を知り、『へえー』と思った。
    大夕張の中で思っていた『池』と、印象があまりにも違い過ぎた、これも井の中の蛙なんとやらの一例だった。

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