山祭りの御輿かつぎ |内川准一

18879

 

 「山祭り」の陽気に誘われて出て参りました。

 
 さて、忘れもしない御輿担ぎ。

 

 出発は弥生町の詰所裏。

 

 到着場所は、千年町のさてどこだったっけ?という程度の記憶ですが。

 

 
 この日のために、詰所裏の倉庫?から、一年ぶりに引きずり出されるのは、鳳凰のついた立派な御輿。

 

 これを担ぐ子供、ぶら下がる子供、おおぎ型のうちわをふる者、賽銭箱を2人で背負う者、

 いろいろでしたが、いやあ、どれも重いのなんのって。 拷問でした。

 

 

 だけど当時小学6年の私にとって、法被を着るのも初めてならば、鼻筋におしろいを塗られるのも初めてで、
楽しいのか、恥ずかしいのか、複雑な心地で大勢の中にいた。

 

  

 でも、これが生まれて最初のアルバイトで、記念すべきその額は60円でした。

 この喜び。

 

 40年近くたった今も自信をもって金額を断言できるのだ。

 

 ああ、その汚れ無き労働の対価!

 

 手のひらの60円。

 だけどきっとくだらないことに消えたのだろう、あの60円。

 行き先のほうは、当時から全く思い出せない。

(2000年5月22日 記)


思い出ばなし

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