こころにある故郷|長屋敏子

10837

『林鉄』(りんてつ)の名前が、載っておりました。

 今は亡き父母の言葉に出あったように、懐かしい言葉の響きがあります。

 ちなみに母は、千年町で『喜多乃屋』の屋号で、そば屋を営んでおりました。

 今も年に一度、何も無い家の跡地を訪ねます。

 
 昭和25年頃から48年頃までの思い出が、心に刻まれております。

 特に、大夕張劇場がボリュウムいっぱい上げて、

『本日の上映映画は・・・』

と、ときれぎれのアナウンスがあったこと。

 隣家の『割烹ロマン』の事や、きれいだったいち子姐さんのこと。

 そんな中で、母が私達を育ててくれたこと、いっぱい思い出されます。

 
 当時、自宅にお風呂が無く、馬屋原(うまやはらさん)の銭湯に行ったり、水道も共同なので、水汲みもしました。

 天秤棒がうまく使えず、ヨロヨロしたことが、印象深いです。

 
 思えばいっぱい懐かしいこと。

 大夕張もなくなったけれど、こころにある故郷です。

 
 きっとみなさんもそうなのでしょうか。

 
(1999年8月25日 記)


随想

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

アップロードファイルの最大サイズ: 5 MB。 画像, 音声, 動画, 文書, スプレッドシート, 対話型, テキスト, アーカイブ, コード, その他 をアップロードできます。 Youtube、Facebook、Twitter および他サービスへのリンクは自動的にコメント内に埋め込まれます。 ここにファイルをドロップ