夏の子どもプール

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 昭和39年夏。

 健保会館そばには、花壇で彩られた広い前庭。そして大小二つのプールがあった。

「大人用プール」と「子ども用プール」。

 

 富士見町線路側には、大人用があり、こちらの栄町ブロック側には、子供用があった。

 深さも、せいぜいちいさな子どもの腰あたりまでしかない、浅いプールだった。

 

 浮き輪を使って安心して遊べるプールとして、小学校入学前の子どもや、低学年くらいの子どもたちは、こちらで遊んだ。

 多分、大人用プールでは、浮き輪は、使用禁止とされていたのではないだろうか。

  

 夏の短い大夕張の人間としては、中学年頃までに、川やプールで泳ぎを覚えて、高学年からは、大人プールというのが、当時の流れだったのだろう。

 残念ながら、成長とともに、その流れに乗り損ねた自分は、大人用プールが深く足がとどかないような恐れをもち、かといって、いつまでも「子どもプール」に入れるわけもなく、自然、足が遠のいた。

 

 

 私にとって、楽しかった記憶が残る「子ども用プール」だったが、思春期の訪れとともに、ちびっ子達でにぎわう様を横目に、いつしか「ジョンベンプール」と、揶揄するような生意気さかりになっていた。

 

 

  

 

白黒写真に着色した画像

子どもたちでにぎわうプール。監視の大人達も暑そうだ。

  


昭和39年夏、大人用プール

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