窓から見た夕張岳

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渡り廊下に備え付けの水飲み場、そこから校舎越しに初夏の夕張岳が見えた。

柱には、六年桜組と書かれた大きな温度計。

かつては、桜組の教室で使われていたものだったのだろう。

「ふるさと大夕張」で当時、次の様なことを書いていた。

『廃校間近な鹿島小を訪れて、夏の暑さにのどが渇き、水飲み場の蛇口の前に立った。その時、見覚えがありながら今まで記憶の奥深くに沈んでいた光景が目の前に広がっていた。小学校高学年になって新校舎に移ってからの毎日、こうして目の前に夕張岳を望みながら、給食時間前には「紙せっけん」を使ってみんな手を洗っていた・・・。』

 

夕張岳を見て、「紙せっけん」を思い出すというのも、なんだかなあと思うけど、幼い頃の関心事はそういうところにあった。『紙石けん』にもいろいろあって、においつきのものとか、柄付のものとか。けっこう人の使っていたのが気になった・・・。

 

その場所に立ってみて、過去の記憶がよみがえるということが、あの頃よくあったなあ。

大夕張に残された時間はわずかだったけど、そこに行くことができたから・・・。

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