七号沢の源| 久々湊真一

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 確か鹿島小学校5年生の時に、泉町を流れる小川(七号沢/宝の沢)の源を探検しようと思いたち、町内の遊び仲間と沢を上ったことがあった。

 かなり奥行きが深くて、相当長時間登り、とうとう源泉らしきところに行きついた。

 意気揚揚と、同じ所を下りって数分後、登ってきた時には無かった足跡が点々とあるのです。

 そう、熊の足跡のようです。

 脱兎のごとく駆け下りましたが、一寸タイミングがずれていたら、ばったり出くわしたかもしれません。

 ふもとであったお爺さんにこのことを告げたら

「あんまり奥に行くんで無い」

と怒られ、同時に

「熊に会ったら、樹に登っても、死んだフリしても駄目だ。山を駆け下りるに限る。熊は前足が短いので、下ろうとすると、前につんのめって転がる」

と言われた。

 真偽の程は判らないが、冷や汗とともに思い出した次第。

 大夕張の雄大な自然が、目に浮かびます。

 

(1999年5月6日 記)


思い出ばなし

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