フランスギクと花占い(大夕張の花)
草丈20cmから1mくらいで、道端でよく見る可憐な白い花。
寒い冬の北海道でも越冬し、野生化し繁殖力のある外来種。
いまでは、他地域から導入された種が在来種に大きな脅威を及ぼしている植物として、北海道ブルーリストにものってしまった。
子どもの頃は、たしかマーガレットと呼んでいた。
マーガレットは、形が、よく似ているが寒さに弱いので高地寒冷の地では越冬できない、温暖な地方で育つ園芸種だという。
マーガレットとよんでいたのは、フランスギクのことだ。
「マーガレット」という言葉は、少女漫画誌「マーガレット」で聞き馴染みのある言葉だった。
少女漫画の愛らしいキャラのイメージと、可憐なその白い花びらと、図鑑に乗っている写真から、子どもながらに連想がつながったのだろう。
散歩の途中、フランスギクを見ながら、子どもの頃よくやっていた遊びを思い出したことがある。
心の中で●●ちゃんのことを思い浮かべながら、
「あの●●ちゃんは、ボクのことを好きに思っていてくれているだろうか」
と花びらを一枚一枚、「すき」「きらい」「すき」「きらい」・・・・・とくり返しながら、ちぎっていく『花占い』である。
『花占い』は、純情な乙女は好きなカレのことを思い浮かべていたかもしれないが、奥手で幼かった自分は、男も女も関係ない。目の前にいる子や、お互いの好きな子(ややこしい・・)の名前を言いながら、茶化したり茶化されたりしながら、やっていた遊びだった。
で・・・「好き」で終わると、からかい半分、ひとしきり大喜びして、また次の遊びに・・・という展開になるわけだが。
そんなことを思い出していると、「あれっ?」と思った。
「花びらの枚数」ってきまってるんじゃない?
ネットで調べてみると、「31枚」らしい。
ある植物学者は、マーガレットは、「21枚」であるとした上で、
「花びらの恋占いは、たいてい「好き」から始めるから、恋占いは、乙女たちの夢を裏切らないのである。もしかすると、乙女たちは、それを承知でマーガレットを恋占いに選んだのかも知れない。」
と書いていた。
花占いの遊びでは、「好き」も「きらい」もどっちもでていたような気がするのだが・・・。
散歩の途中、道端のフランスギクの花弁を手にとって、花びらの枚数を一枚一枚数えてみた。
結果、小さいものから大きいものまで違いがあり、23枚から37枚の間で様々だった。まだ小さい花びらもあった。生長過程や、生育条件によって違いができるようだ。
件の植物学者のブログでは次の様に結んでいる。
「もっとも、花びらの枚数は栄養条件によって変化することがあるから、たまに偶数になることもある。しかし、奇数であるはずの花びらが偶数になってしまっているのだから、その恋はよほど運がないのだろう。」
「好き」も「きらい」もあったのである。