猫と犬のなまえ
以前、『猫とブルドック』で林さんが、「岳富町の時計屋さんのショーウィンド」にいた真っ白い猫のことを書いた。
この真っ白い猫は、左右の目の色が違う猫だった。時計店の名前は書かれていなかった。
この時計屋さんは、「散歩道」の岳富町の住宅地図を見ると、昭和43年当時、安田靴店と木村呉服店の間にあった、『高橋時計店』だろう。
高橋時計店の娘さんが、今は80歳をこえてお元気だそうだ。
先日、近所に住むKawauchiさんに、高橋時計店の両方の目の色が違う猫は、「ミミ」という名前だったと話してくれたそうだ。
千年町の『大井組と大井質店』のページには、大井鉄平氏の隣にちか夫人が犬を抱いて座っている写真がある。
昭和初期の写真だ。
そのちか夫人の足下に寝ているコリー犬は、『トロ』という名前だったと、曾孫の福山さんがFBでコメントしていた。
動物を飼ったことがないので、飼い主の気持ちは想像するしかないけれど、もう半世紀以上もたっているのに、名前が出てくるというのは、びっくりした。当時から家族の一員として大切にされていたんだろうと思った。愛情の深さが伝わってくる。
大井組事務所居宅のあとに入った『河野歯科医院』にいたブルドッグは、自分も覚えていた。
茶色(だったと思う)の中型の犬だったと記憶している。
以前も書いたが、子どもの頃、子どもの頃二本の前歯の間があいていた。「すきっ歯」だった。
自分は全然気にはしていなかったが、前歯の隙間に鉛筆の先をついつい入れるクセがついてしまい、あるとき、鉛筆の芯が折れて歯の間に挟まってしまったということがあった。
そんなことがあり、歯を矯正するため歩いて千年町の河野歯科医院まで通うことになった。
河野歯科医院前の玄関前には犬小屋があり、そのコワモテの顔にびびりながら、おそるおそる玄関を通り抜けていたのだった。実際いつも吠えられていた気がする。昭和37,8年の頃だろうか。
もちろんそのブルドッグ君にも名前もあったんだろうけれど、知らない。
今思えば、名前で呼びかけて、接し方を工夫していればまた違う関係が生れたのだろうと思う。しかし、それができる器用な子どもではなかった。
(2022年6月21日 記)