旧明石町駅 1997

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1997年(平成9年)5月の旧明石町駅。

 

昭和48年(1973年)に廃止になってから24年、屋根が傾き、窓には木の板が打ち付けられながら、なんとかそこに建っていた。

 

この時期、故郷の大夕張を訪れた人は、きっとそうであるように、自分も「そこにある」ものたちを夢中で写真に収めたのだった。

 

正面の入り口を入って、奥の改札を抜けると一段高いところにあるホームへ通じる地下歩道がある。

線路跡は、サイクリングロードとなり白い手すりが見える位置にあった。

 

 

1999年6月に訪れた時、かつて大夕張の玄関口であった明石町駅の建物は、瓦礫の山となっていた。

 

その瓦礫の山の写真もとり、記録として見返すこともあるが、胸の内ではあまり気持ちの良いものではなく複雑な思いでもある。

 

 

大夕張を故郷とする一人の『訪問者』に過ぎないものの視線ではあったが、短い時間に今まであった古いものが、次々と喪われていくという空しさや淋しさが去来した。

 

 

  

 

1997年5月18日撮影の旧明石町駅 駅舎

 

 

 

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